坂東三十三観音霊場巡りの旅 観世音寺(佐白観音)

観世音寺(佐白観音)

巡礼記

訪問日:平成22年9月5日

JR笠間駅で下車し、まずは笠間稲荷神社を目指します。駅前からまっすぐのびる道があり、途中、稲荷町、弁天町などの神仏に縁のある町名を見ながら歩いていると「高橋町」交差点に到着、そこを右折すると笠間稲荷神社に着きました。

「坂東観音めぐりなので笠間稲荷神社には立ち寄らない」という人もいるでしょうが、せっかく笠間まで来たのだから、寄ればいいと思います。

笠間稲荷神社を参拝した後、神社の前の道を直進し、常陽銀行笠間支店がある突き当たりを左折しました。そして、少し先にある右に入る道を歩くと笠間日動美術館があり、そこから少し歩くと観世音寺の入口に到着しました。

入口といっても立派な山門があるわけではありません。参道奥にある階段をのぼると目の前に昭和五年に建てられた本堂が見えました。坂東三十三所の本堂としては少し寂しい本堂です。茨城県における激しかった廃仏毀釈の影響が現在も続いていることを実感させられます。

本堂に上がってお参りできるようになっていましたので、上がると、閉じられた厨子の前にお前立ちの観音像、左右に不動明王像、毘沙門天像が祀られていました。堂内にあった案内によると毎年4月17日に御本尊が御開帳されるそうです。

観音様へお参りをし、それが終わると隣の部屋の納経所へ移動しました。納経所の授与品場にはご住職の手書きの仏画などオリジナルなグッズがたくさんあり、失礼ながら寂しい授与品場を予想していたので、少し驚きました。また御朱印を待っている間にお茶の接待を頂き、延命十句観音経の書かれた紙も頂きました。十句観音経には裏にお経の内容が書かれていましたので、それを紹介します。

お観音様、お観音様、お観音様にご縁がちょうだいできるように定まっていてその通りになりました。御仏と、御教えと、それを伝えて下さる方にもご縁がちょうだいできて、常に心楽しく、さわやかに暮らせます。
朝夕お観音様とおとなえします。
おとなえするたびにお観音様をご尊敬する心がおこります。お観音様、お観音様とおとなえして、お観音様から心を離すようなことはございません。
(ですからお観音様、わたくしを見守っていて下さい。)

御朱印を書いて頂いた後、ご住職が納経帳を持ちながら延命十句観音経を唱えてくれ、とてもありがたく感じました。納経所を出た後、頂いた十句観音経が書かれた紙を用いて、観音様にお経を唱え、本堂を出ました。

持っている坂東三十三所案内の本に、「佐白山の頂上に観音像が祀られている」とありましたので、山頂まで登ることにしました。山頂といってもそれほど大変ではありません。階段がありますし、急な上り坂もないので、ほどなく到着しました。山頂には「身がわり観音」が祀られており、山頂から笠間市内を力強く見守っていらっしゃいました。

入口

入口

本堂

本堂

山頂の身がわり観音像(その1)

山頂の身がわり観音像(その1)

山頂の身がわり観音像(その2)

山頂の身がわり観音像(その2)

山から下り、観音様にお堂の外から帰宅する旨を伝え、境内を出ました。そして、お寺に向かう時に見かけ、気になっていたキツネ焼きを売っている白狐堂に行きました。購入する前にいくつか試食しましたが、とてもおいしく、色々と購入しました。観世音寺にお参りの後にお薦めのお店です。