西国三十三観音霊場巡りの旅 草創1300年記念 2017年巡礼

草創1300年記念 2017年巡礼

巡礼記録

今熊野観音寺

東福寺駅から歩いていき、入り口に到着すると、
「秘仏御本尊十一面観世音菩薩像、寺宝 刀八毘沙門天図公開、内陣特別参拝」
と書かれた案内があり、気持ちが高まります。

そこから少し歩くと本堂に到着し、早速、内陣参拝を申し込みました(200円)。内陣に入り、特別公開されている御本尊を拝観すると、御本尊は光の関係で神秘的に感じました。平成22年に訪れた時の巡礼記を見ると、「ろうそくの光に灯されたそのお顔は妖艶な美しさでした」と書いていますので、同じような感想を抱いていますね。

刀八毘沙門天図の案内には
「光背に白い狐がめぐる。十二臂の内、八臂で刀を握るので刀八毘沙門天と呼ばれる。三面である」
などが書かれており、とてもパワーの有る仏様だと思いました。

内陣参拝を終え、お堂に着座して、お参りしていると、御詠歌
「昔より 立つとも知らぬ今熊野 仏の誓い あらたなりけり」
が目に入りました。

慈悲の道によると、意味は
「今熊野の観音様は昔から人々が気付かないうちに衆生済度の御請願を立てておられ、その霊験は誠にあらたかである」
という意味だそうです。

私は西国三十三所を初めて巡礼した時、最初に訪れた寺院は今熊野観音寺で、今回の草創1300年記念の巡礼の始まりも今熊野観音寺です。ですので、私が気付かないうちに今熊野観音寺の観音様が背中を押してくれたのかもしれませんね。

最後に納経所で、西国三十三所草創1300年の札所会推薦の納経帳を購入し(2200円)、御朱印をいただきました。

御開帳の案内

六角堂

お寺に到着すると、手水舎で手と口を清めてから、内陣参拝を申し込みました(1000円)。堂内に入ると、まず聖徳太子二歳像が祀られており、中央に行くと、脇侍として、地蔵菩薩立像、毘沙門天立像、御前立の如意輪観音像、御前立像の後ろに本尊の小さな如意輪観音像が祀られていました。平成21年の御開帳に訪れた時よりも、お姿がよく分かったような気がしますが、どうでしょうか。

お手綱がつながった五鈷杵がありましたので、五鈷杵に触れながら、観音様にお参りをしました。お手綱は堂外の五色の布にもつながっていますので、内陣参拝をされない方は触れるのを忘れずに。最後に堂内右側の親鸞上人の夢想之像にお参りをしました。

六角堂は境内にも素敵な仏様が祀られていますので、本堂をぐるっと廻るように境内を歩きました。そして、納経所で御朱印をいただきました。

革堂

お寺に到着すると、手水舎で手と口を清めてから、内陣参拝を申し込みました(500円)。2017年の特別拝観は特別内拝(御本尊御開帳と名のいわれの皮衣を堂内で展示)です。

まずは鹿の革衣が展示されていました。内拝時にいただいた案内には

若い頃の行円上人(革堂の開祖)は狩りが好きでした。ある日、みごもっている雌鹿を射止めたとき、その鹿が、死にぎわに子鹿を産んだのです。それを見た上人は、はじめて「命」の深さという根本のものに気づき、今までの殺生を深く悔いました。そして上人は仏門に入り、その母鹿の革を衣とし、身から離すことがなかったと言われました。

とありますので、革衣は革堂にとって大切なものですし、それを拝観する我々も命の大切さを改めて考えるものでもあります。

次はお地蔵様です。白い頭巾を頭からかぶっているのが特徴で、受付の方に由来を尋ねると、先代の住職が優しく見えるようにと被せたそうです。確かに優しく感じますので、被せて正解だと思います。

そして、厨子の前まで行き、御本尊を拝観しました。受付時、「肘と手首との間にたくさんの手がついており、それで千手(手が千本ある)を表している」と教えてもらいましたので、実際に拝観すると、確かに小さな手がたくさんありました。このような千手観音像は初めて拝観したような気がします。また、観音像のお顔はとても力強く感じました。全ての衆生を救うという強い意志が感じられる良い仏様です。厨子の周りには、西国札所の三十三の観音像が祀られていました。

平成21年の御開帳時の巡礼記を読み返すと、千手のことには全く触れていませんので、今回、間近で拝観できたのは、とても良い機会でした。

境内には、スイーツの出店もありました。今回の草創1300年記念の目玉イベントの一つは「スイーツ巡礼」ですので、スイーツを楽しみながらの巡礼も良いですね。

粉河寺

4月1日と2日は京都で桜を見ようと随分前から予定していました。しかし、今年(2017年)は桜の開花が遅く、京都御苑ぐらいしか見頃の桜は無いとのことで、4月2日は西国三十三所めぐり(紀三井寺、粉河寺)をすることにしました。

1日はJR和歌山駅近くのホテルに宿泊、2日は和歌山駅から和歌山線に乗り、粉河駅ヘ。しかし改札を出る時、ICカードをタッチする場所が見当たりません。よく見ると、注意書きがあり、粉河駅ではICカードが使えないとのこと。結局、みどりの窓口で運賃を払いました。

無事、駅を出ると、駅前からまっすぐ伸びる道を歩きます。しばらくすると、粉河寺の大門が見えてきました。何度見ても立派な大門です。

大門をくぐり、境内ヘ。童男堂などのお堂が並ぶ境内を奥に進むと、本堂が見えてきました。桃山時代に造られた庭園と本堂も絵になる風景で、ついつい何枚も写真を取ってしまいます。

本堂に到着すると、早速、観音様にお参り。本堂にはたくさんの額が掲げられており、歴史を感じました。御朱印を頂いた後、今回の訪問の目的である特別拝観ヘ。千手堂前の受付で拝観料700円を払い、千手堂の中に入りました。

千手堂の中に入るのはもちろん平成20年の御開帳以来です。前回の御開帳は217年ぶりということで、堂内にもたくさんの人がいました。しかし、今回は2, 3人の方がおられるだけで、その違いに観音様も笑っているかもしれませんね。

千手観音像から伸びる結縁綱がありましたので、まずは綱を握って、お参り。そして、ゆっくりと観音像を拝観しました。天井画も素敵ですので、忘れずに見上げましょう。前回との違いは、千手堂の御朱印を頂けることで、1300年公式納経帳の無地ページに御朱印を頂きました。

千手堂の次は本堂内の拝観です。「まずは中央でお参りください」とのことで、着座して正面を見ると、閉じられた大きな厨子の左右に二十八部衆が祀られていました。次にお堂の左に行くと、不動明王と鬼子母神が祀られていました。後で気付きましたが、どちらも堂外からお参り出来るようになっており、多くの人に信仰されている仏様です。

お堂の後ろに行くと、厨子の扉のように見えるものがありました。いくつかの社寺ではお堂の正面からだけではなく、裏からもお参り出来るようになっています。そうなっている理由は様々でしょうが、一つの理由として、裏からのほうが神仏により近いのでご利益も大きいと考えられていたと聞いたことを思い出しました。

頂いた案内によると、粉河寺では毎月十八日に観音月並法要を行なっているそうで、機会があれば、童男会が行われる十二月十八日に訪れたいです。

紀三井寺

JR紀三井寺駅に到着し、東口から外に出ると、山中に紀三井寺が見えます。紀三井寺を訪れるのは久しぶりですが、駅から見えるお寺の風景は目に焼きついています。

駅からお寺に向かいますが、歩いている人もあまりおらず寂しい感じでした。しかし、参道に合流すると、賑やかになりました。やはり、西国三十三所の札所は賑わっているほうが良いです。

楼門前で拝観料200円を払い、境内ヘ。まずは厄除け坂の石段です。日頃の運動不足で231段の石段を登るのはなかなか大変でしたが、なんとか登りきり、本堂ヘ。そして、観音様にお参り後、御朱印をいただきました。私が御朱印を頂いている時、横の窓口で外国の方も朱印を頂いていました。草創1300年の公式ホームページには英語版もありますので、多くの外国の方にも巡礼して欲しいですね。

次は本堂内陣特別拝観です。拝観料200円を払い、堂内に入りました。堂内には、各所に案内があり、気づかなかったことに気づくことができ、有意義でした。中央の閉じられた厨子の前には、秘仏本尊お前立ちの十一面観音立像、秘龕(ひがん)仏お前立ちの千手観音立像が祀られていました。御前立ですが、どちらも立派な像で、御本尊と言っても良いぐらいでした。堂内の案内によると、次回の御本尊の御開帳は2020年とのことで、今からとても楽しみです。