四萬部寺
巡礼記
訪問日:平成26年5月10日
秩父三十四観音霊場は文暦元年(1234年)に開創されたとされ、その年の干支は甲午(きのえうま)です。平成26年の干支も甲午であり、秩父霊場成立から13回目の甲午年です。それを記念して、平成26年3月1日から11月18日まで、札所寺院で総開帳が勤修されます。「秩父三十四観音霊場をいつ巡ろうか」とずっと思っていましたが、成立と同じ干支の年に巡礼できるという機会はそうあるものではありませんので、今年、秩父霊場を巡礼することにしました。
西武秩父駅に到着し、共に巡礼する方々と合流。そして、札所一番バス停に行くバス乗り場に移動。バス停では同じように巡礼をする人々が既に列を作っており、その列に並び、バスの到着を待ちます。ほどなくバスが到着し、時刻通りに出発しました。
バスは途中、札所十三番、札所十番、また本日最後に訪れる五番札所近くの語歌橋停留所などを通りながら、我々の目的地である札所一番バス停へ。やはりこちらのバス停で多くの人が下車しました。バス停から歩き始めるとすぐに一番札所である四萬部寺の山門がありました。山門前には甲午歳総開帳を告げる案内が立っており、いよいよ巡礼の始まりです。山門から境内に入ると、目の前に観音堂、結縁綱がつながった祈願塔が見えました。結縁綱を握って、観音様と結縁し、堂内に入りました。
堂内中央の厨子の扉が開かれ、その中に聖観音立像が祀られていました。また熱心に般若心経を唱えている方々も何人かおられ、「巡礼である」という気持ちを改めて強く思いました。
堂内左壇には、三体の聖観音立像、おたすけ観音と呼ばれる観音像も祀られていました。堂内にはたくさんの千社札が貼られており、歴史を感じました。今まで多くの人が四萬部寺で秩父巡りを発願したのでしょうね。内部天井には立派な龍の画もありました。
堂外に出ると、お堂正面に地獄図と極楽図の彫り物があり、お堂左には秩父札所の縁起を描いた大絵馬が掲げてありました。各札所には大絵馬が掲げられているので、必ず、確認したいと思います。お堂右には施食殿がありました。
次は境内にある納経所に行きました。こちらは巡礼用品が充実しており、納経帳も何種類か用意されていましたので、その中の一つを購入しました。また今回の総開帳期間中に参拝すると、散華シールをいただけるので、散華シールもいただきました。秩父巡礼に関して疑問などがあれば、こちらで質問しましょう。私も質問しましたが、親切に教えてくれました。四萬部寺は一番札所に相応しいお寺で、良い巡礼のスタートが出来ました。