金昌寺
巡礼記
訪問日:平成26年5月10日
三番札所の常泉寺を出て、金昌寺に向かいます。途中、「お止めばし」という民話が残されている橋を通りました。巡礼者が橋を渡ろうとした時、風の中に「渡るな、渡るな」という声が聞こえ、立ち止まると、橋が流され、巡礼者は命拾いをしたという話です。訪れた時は橋の遥か下のほうを水が流れており、橋が流されることは想像もできませんが、昔の巡礼はさぞ大変だったのでしょうね。
また新木茶堂で接待を受けました。話を伺うと、今回の総開帳に合わせ、77年ぶりに復活したとのことで、巡礼者にとってはありがたいことです。接待を受け、すっかり元気になり、歩も軽く、金昌寺へ。金昌寺に到着すると、まずは立派な山門に驚きました。大きなわらじ、山門の上に仏像も見えます。
山門をくぐり、境内に入ると、たくさんの石仏にまた驚きました。石仏は多いだけでなく、質も素晴らしいです。一つひとつの石仏を見ていると、本堂に到着するのにずいぶん時間がかかりました。
本堂に到着すると、結縁綱に触れ、観音様にお参り。厨子の中に十一面観音立像が祀られていました。こちらで有名なのは、本堂前に祀られている慈母観音像です。母親の優しさ、子どもの無邪気さが伝わってくる、とても素晴らしい像でした。
案内本に「秩父札所の中で人気の高い寺だ」とありましたが、それが実感できたお寺めぐりでした。