久昌寺
巡礼記
訪問日:平成26年9月20日
29番札所の長泉院から歩いて行きました。道中に見える、武甲山はとても素敵でした。やはり、秩父は武甲山です。
お寺に向かって歩いていると、まず仁王門があり、その先に観音堂がありました。結縁綱に触れ、堂内を拝観すると、中央に聖観音立像が祀られており、その両脇侍も観音立像のように感じました。また、厨子の扉には、四天王が描かれていました。観音堂の前には地蔵尊堂と書かれた小さなお堂もあり、中には、奪衣婆像が祀られていました。
本堂と納経所は観音堂から少し離れていますので、弁天池の脇を通り、納経所に向かいました。朱印をいただく時、聖観音像の脇に祀られている仏様について尋ねると、お寺では、阿弥陀、薬師如来像とみなしているそうです。
また、こちらのお寺は、御手判で有名です。仁王門に掛かる額にも「御手判寺」と書かれています。今から約750年前、十三権人が秩父の聖地を巡礼しました。その際、この地を訪れると、二十五菩薩が喜んで迎えてくれ、十三権人は二十五菩薩にちなんで、25番札所に決めました。また、十三権人の一人である性空上人は閻魔大王から頂いた「石の御手判」を当寺に納めました。「御手判を受けております方は、いつも身も心も守られ、理想の世界に導かれる」と伝えられているそうです。
石の御手判は大切にしまわれており、拝観はできないそうですが、御手判の刷物をいただきました(500円)。その後、弁天様を祀る弁天堂でお参りし、久昌寺を後にしました。
本堂には御本尊の阿弥陀如来像が祀られており、弁天池から阿弥陀如来が祀られる本堂を見ていると、京都の浄瑠璃寺を思い出しました。
これでこの日の巡礼は終了しました。昔の巡礼の大変さを感じられる山道の歩き、橋立堂の素晴らしい景色、秩父札所の歴史をありがたさを感じる御手判など、充実した巡礼でした。