法性寺
巡礼記
訪問日:平成26年10月11日
今年は台風が日本列島に上陸することが多い年で、台風18号が上陸したばかりですが、今度は台風19号が上陸するということで、巡礼ができるか心配していました。しかし、関東地方に影響が出るのは13日からということでしたので、心配しながらも、秩父に向かいました。
本日訪れる32番札所の法性寺は、お寺の前まで行く小鹿野町営バスの路線が2013年に廃止になりましたので、公共機関で行くならば、それなりに歩きます。しかし、のどかな風景を見ながら、のんびり歩くのが秩父巡礼の魅力ですので、歩いても苦にはならないと思います。
西武秩父駅から栗尾行きバスに乗り、「松井田」バス停で下車しました。バス停から来た方向に少し戻ると、「札所三十二番入口」の札がありますので、そこを歩きます。途中で日本武神社などに立ち寄りながら、のんびり歩いていると、法性寺に到着しました。
入口には鐘楼門があります。鐘楼とは鐘で時を告げる施設で、山門と一体化したものを鐘楼門と呼びます。秩父札所唯一の鐘楼門は立派で、仁王像も良かったです。また、般若山の山号にちなんででしょうか般若の面も掲げられていました。
門から境内に入ると、石段があります。上り口では一つの石に刻まれた六地蔵の石仏が見守ってくれており、石段を上り切ると、納経所と本堂がありました。個人的には札所本尊の観音様にお参りする前に御朱印を頂くのは好きではありませんが、こちらでは、本堂に祀られていたお前立の観音様にお参りした後、御朱印をいただきました。お前立の観音像は、縁起にあるよう、笠をかぶり、船に乗って、櫓を漕ぐ、独特のお姿をしていました。また石段を上った近くに「奥ノ院遥拝所」と書かれた足を置く場所がありました。そこに足を置き、眺めると、遠くに奥の院のお船観音像が見えました。「あそこまで、登るのか」と思ってしまいますが、是非、上りましょう。納経所の前には、御住職が書かれた南無ちゃんバックなどが売られている場所もありました。
境内を奥に進みます。石段があり、その途中に、秋海棠(しゅうかいどう)の案内が書かれていました。秋海棠は「瓔珞草(ようらくそう)」とも呼ばれ、佛様を飾る花で、花言葉は慈しみの心だそうです。
石段を上ると、祈願塔がありましたので、結縁綱を握り、観音堂に入りました。ご開帳されている観音像は一メートルぐらいでしょうか、立派な観音像でした。観音堂の後ろは、蜂の巣状の奇岩が露出しており、中央に地蔵菩薩像が祀られていました。地蔵菩薩の後ろに十王像が安置されていましたので、ここで、奥の院に行ってよいか、地蔵菩薩(閻魔大王)から判決を受けるのかなと思いました。
観音堂でのお参りが終わりましたので、奥の院に向けて出発です。しばらく歩くと、「龍虎岩、胎内観音」と書かれた案内があり、鎖を使って、上るようになっていました。鎖を握りながら上り降りしましたが、下りのほうが大変でした。
更に歩を進めると、十三仏の石仏があり、左に行くと大日如来像、右に行くとお船観音像に行く分かれ道に出ましたので、まずは大日如来像にお会いすることにしました。しばらく歩くと、大日如来像が祀られている岩の下に到着。こちらも岩を鎖を使って、上るようになっていました。大日如来像が祀られている岩の上は平らな部分が少ないので、同時にニ、三人しか滞在できないので注意しましょう。大日如来像の所まで上ると、高所で、かつ平らな部分が少ないので、立っていると足が自然と震えるようでした。
次はお船観音像に会いに行きます。岩の上を通る道もありますが、ちょっと怖いので、下の道を歩いて行きました。到着し、拝観したお船観音像は、晴天の下、とても素敵でした。
奥の院に訪れるのは自由ですが、訪れることができるのならば、訪れることが強くお薦めします。奥の院にお参りした、していないでは、法性寺の印象が全然違うと思います。個人的には、奥の院の印象により、法性寺は秩父札所の中で一、ニを争う印象深いお寺巡りとなりました。
リンク集
法性寺ホームページ | 法性寺公式ホームページ |
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