鎌倉三十三観音霊場について
江戸時代中期から末期にかけて観音巡礼が盛んになり、鎌倉郡にも三十三所霊場が設立しました。鎌倉郡三十三所は、鎌倉市内の寺院を中心に、横浜、逗子、藤沢と幅広い地域に点在していました。
しかし明治維新で廃寺、移転した寺が多く、大正から昭和のはじめに新たに鎌倉三十三観世音霊場が設定されました。
鎌倉郡三十三所霊場に比べて寺院の点在する範囲は小さいですが、全ての寺院が鎌倉市内にある為、比較的短期間で巡ることができます。ガイドブック(「古寺巡礼シリーズ・鎌倉三十三ヶ所」平幡良雄著、満願寺教化部刊)には二日で巡れるコースが紹介されています。しかし鎌倉から遠方に住んでいる人以外は、できれば時間をかけて巡りたいところです。それは一日に多くの寺院を巡ると、どうしても一つ一つのお寺の印象が薄くなってしまうからです。ある本には、「巡礼期間が短い為、巡礼の定義や良さも十分に消化できない一面がある」と書かれていましたが、私もそう思います。
鎌倉五山(建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺)、鎌倉市に存在する坂東観音霊場に含まれる寺院(杉本寺、安養院、長谷寺)など、鎌倉にある有名なお寺の大多数が含まれています。よって観光を楽しみながら観音様とのご縁を深めることのできる霊場です。