南知多三十三観音霊場巡りの旅 神護寺

神護寺

巡礼記

訪問日:平成22年10月2日

まずは観音様が祀られている本堂からお参り。厨子の前に観音様がいらっしゃり、脇侍として、毘沙門天、不動明王が祀られていました。また西国三十三観音霊場の写し本尊像も祀られていました。お堂は小さいながらも、なかなか立派なものでした。

本堂右のお堂には秋葉三尺坊大権現が祀られており、左には役行者を祀る小さなお堂がありました。

次は朱印が頂けるお堂に行きました。お堂に上がらせて貰うと中央に毘沙門天像が祀られていましたが、普通の仏像とは少し感じが違います。お寺の方に尋ねると、御深井(おふけ)焼きだそうです。私は御深井焼きについては知りませんでしたが、名古屋城の一角にある御深井丸に窯が築かれたことから御深井焼の名がついたそうです。ですので、御深井焼の毘沙門天像は愛知県にあるべき像ですね。

また「ひざのお護り、普賢さん」が祀られていました。実は神護寺に向かう途中、「ひざのお護り、普賢さん」と書かれた看板を結構見たので、どのような仏様だろうと思っていました。

頂いた縁起を以下に紹介します。

京都の大雲寺の和尚様の枕元に普賢菩薩がおたちになり、「尾張国知多郡に、ひざと腰の痛みに難渋している老婆たちがいる。行ってその人々を救いたい」と言いました。和尚様は気になりましたが、そのまま幾年かが過ぎました。

知多半島に孝行息子の漁師がいました。ある夜、枕元に普賢菩薩が立たれ、「親のひざの痛みをいやしてあげよう」と言い終わるとふっと消えました。

この話を聞いた大雲寺の和尚様は「私の寺の塔頭である花鳥院の御本尊様だ」と思い、早速、遷座の運びとなりました。

孝行息子は神護寺に大雲寺の普賢菩薩像を預け、まつりました。以来、ひざや腰の痛みに悩む老若男女は普賢菩薩に守られ、ありがたい生活を送っており、いつの頃からか「ひざのお護り、普賢さん」と親しみを込めて呼ばれています。

お堂にまつられている普賢菩薩像の前には椅子が置かれ、膝が悪い人でもお参りが出来るようになっていました。私たちが訪れた時もお年寄りの方がお参りをしていました。

神護寺ではお寺の方と色々な話をしました。境内に五番札所の誓海寺でお会いした観音像とよく似たお顔をしている魚藍観音像が祀られていたので、関係を尋ねると、それらの像は仏師が奥さんの顔をモデルにして作ったものだそうです。

当初の予定では篠島にある松寿寺は翌日に訪れるつもりでしたが、お寺の方の勧めで本日訪れることにしました。境内にある駐車場に車を置いたままでいいとのことでしたので、歩いて師崎港に向かいました。

(追記)松寿寺から戻るとお寺の方とまた会うことが出来ました。その時、「篠島で夕日を見ましたか。夕日を見ていると観音様のいらっしゃる補陀落山がイメージすることができる」と話をしてくれました。車で立ち去る時も最後まで見送って下さり、神護寺では本当に良いお参りが出来ました。

本堂

本堂

毘沙門天、普賢菩薩がいらっしゃるお堂

毘沙門天、普賢菩薩がいらっしゃるお堂

特徴のあるお顔をした魚藍観音

特徴のあるお顔をした魚藍観音

境内の石仏

境内の石仏