石山寺(結縁御開帳)
巡礼記
訪問日:平成21年3月11日
元々は元慶寺だけを訪れて帰る予定でしたが、元慶寺から山科駅に戻った時が午後2時40分ぐらいでしたので、「ご開帳をしている石山寺にも寄れる時間がある」と考え、石山寺を訪れることにしました。
JR山科駅から石山駅へ。そこから京阪電車に乗り換え、石山寺駅で下車し、瀬田川を眺めながら徒歩で石山寺に行きました。東大門を見ると石山寺に到着したという気分になります。本当にりっぱな、絵になる大門です。
参道を歩き、受付で拝観料500円を払いました。更に境内の奥に進み、石段を登ると神木があり、西国三十三観音霊場の観音像を祀ったお堂、毘沙門堂がありました。毘沙門堂には、毘沙門天、吉祥天、善膩師童子(ぜんにしどうじ)の三尊が祀られていました。そして、「石山」という名前の由来となった硅灰石がありました。それらを拝観していると賑やかな声がしたので、振り返ると石段を某旅行会社の団体参拝者が登ってきました。
その団体参拝者の後についていくような形で本堂に行きましたが、本堂内陣は案の定、その団体さんで一杯です。お参りをして、納経所で御朱印を頂いても、まだ団体さんは内陣にいました。本堂にある長椅子に腰掛けて少し待っていましたが、時間がもったいないので、本堂を一旦後にして、境内を散策することにしました。
多宝塔には、昨年に大津市歴史博物館で開催された「石山寺と湖南の仏像展」でお会いした快慶作の大日如来像が祀られている筈です。堂内を見ると、覚えているイメージとは大きく異なる大日如来像が祀られていました。よく見ると、快慶作の大日如来像は展覧会に出陳中と書かれていました。
更に登っていくと、桃色の花がたくさん咲いているのが見えました。その風景はとても綺麗でした。紫式部像を拝観した後、まだ訪れたことがなかった八大龍王社を訪れました。また、西国三十三所の御本尊の石像を巡る西国三十三所観音霊場巡拝道があったのですが、全部巡るとかなり時間がかかりそうでしたので、一番の青岸渡寺の観音様だけをお参りしました。補蛇洛山・雅の台もあり、そこからは舞台造りの本堂を正面から見ることができました。
境内散策を終えて本堂に戻ると団体さんはおらず、数名の方がいらっしゃるだけでした。係りの方に内陣拝観をお願いし、拝観料500円を払いました。本堂に戻ったのが午後4時15分ぐらいで、拝観が午後4時半までですので、あまり拝観する時間はありませんでしたが、内陣には私以外誰もおらず、ラッキーでした。
まずは開帳されているご本尊の前へ。大きな二臂の如意輪観音座像です。結縁綱が左右の手に結ばれていたのですが、向かって右側の手綱がボロボロになっていました。歴史のある綱なのでしょうか。内陣では右側の綱を触れるようになっており、それを握り、観音様とご縁を結びました。左側の新しい綱は外陣からの参拝者用に外に伸びていました。
観音像を拝観した後、内陣の右側で、吉祥天、胎内仏、金剛蔵王立像、二十八部衆、大きな毘沙門天像にお参りをし、左側には、国宝である弘法大師作の厄除け不動明王像にお参りをしました。
そして内陣から出ようと思いましたが、もう一度、観音座像を見ると、座って対話したくなりました。幸い、私以外誰もいませんでしたので、観音様の前に座って対話しました。石山寺の観音様と座って対話するなんて、本当に贅沢な時間を過ごすことができました。
珪灰石
紫式部の像
舞台造りの本堂