西国三十三観音霊場巡りの旅 三井寺(結縁御開帳)

三井寺(結縁御開帳)

巡礼記

訪問日:平成21年10月10日

京阪大津線別所駅で下車しました。京阪大津線には三井寺という駅があり、観音堂へ行くならば、三井寺駅で下車した方が近いです。でも、私は仁王門から入って、境内をゆっくり巡ってから観音堂へ行くのが好きですから、別所駅で下車しました。

仁王門のすぐ近くにある受付で入山料を払い、境内を奥に進みます。釈迦堂は工事中でしたので、今回は立ち寄らず、まずは三井の晩鐘で知られる鐘をつきました。私は鐘にまつわる琵琶湖の龍神の話が強く印象に残っています。ですので、鐘をつく時には「鐘の音が龍神様に届くように」と願いながら撞いています。

次は金堂へ行きました。御本尊で絶対秘仏である弥勒仏にお参りした後、お堂の仏像を拝観しました。祀られている仏像の中では、尊星王立像(妙見菩薩)、七体ある善女龍王の円空仏、厳しいお顔をした不動明王像が好きです。

金堂で仏像を拝観している時、ブクブクという音が聞こえていたので何の音だろうと思っていましたが、天智・天武・持統の三帝が産湯に用いたという三井の霊泉に行くとその正体が分かりました。ブクブクという音は泉が湧き出る音でした。

弁慶の引きずり鐘、一切経蔵、三重塔などを拝観した後、微妙寺に行きました。微妙寺はお堂に上がってお参りすることができるので、三井寺に訪れた時には毎回立ち寄っています。

そして、いよいよ観音堂です。結縁綱にふれた後、内陣拝観をしました。拝観料は200円で、観音様の御影を頂きました。まずは分かりにくいですが、親鸞上人、蓮如上人の尊像がありました。案内の紙が置いてあり、室町から戦国時代にかけて、山門(延暦寺)、寺門(三井寺)、本願寺の関係が簡単に述べられていました。

内々陣に歩を進めると、如意輪観音像、不動明王像、円珍像が祀られていました。そして、脇侍の毘沙門天像の隣に御本尊の如意輪観音像が祀られていました。東京で開催された三井寺展でもお会いしましたが、本当に美しい観音様です。お寺の方がおられ、観音様の説明をしてくれました。

元々は今の場所から更に山奥に祀られており、西国一の難所だったそうです。しかし、300年程前に「もっと多くの人にお参りして欲しい」ということで、今の場所に降りてきたそうです。如意輪観音は両足の裏を合わせていますが、これは輪王座と呼ばれているそうです。右足が仏様、左足が自分自身で、仏の力で自己を抑える、つまり、人間の三毒を抑えつけているということです。仏像の印相には意味があるので、それらが分かると仏像をより良く理解できます。

右脇侍の愛染明王にお参りした後、観音堂から出ようと思いましたが、内陣に座ってお参りできる十分なスペースがあったので、着座して、般若心経などを唱えました。

観音堂を出た後、西国、坂東、秩父の百観音が祀られている百観音堂でお参りをし、次は水観寺に行きました。水観寺は西国薬師霊場四十八番札所です。水観寺も微妙寺と同様に上がってお参りができますので、三井寺に訪れた時には毎回立ち寄っています。

最後は千団子月例祭が行われている護法善神堂に行きました。お堂では鬼子母神(訶梨帝母)像を拝観することができました。東京で行われた三井寺展では出展されていなかったので、今回初めてお会いしました。想像よりも小さな像でしたが、子供に対する優しさに溢れていました。

三井寺の御開帳は来年の3月17日から4月18日までもう一度あるので、その時にまた訪れようと思います。

御開帳案内

御開帳案内

仁王門

仁王門