紀三井寺(結縁御開帳)
巡礼記
訪問日:平成20年10月17日
JR紀三井寺駅から徒歩で紀三井寺へ。駅から山中にあるお寺が見えるので迷うことはありません。前回は裏門から入ってしまったので、今回は前回の反省を踏まえて、楼門から境内に入りました。楼門から入ると、紀ノ国屋文左衛門ゆかりの結縁坂を登ることになります。
坂を登り切ると右に最近建立された仏殿がありますが、「まずは本堂で観音様にお参り」と思いましたので、左方向に歩き、本堂へ。二本ある結縁綱をそれぞれ握り、本堂前でお参りをし、本堂左側にある納経所で御朱印を頂きました。紀三井寺のご本尊は二体あり、それぞれの観音様に繋がっている綱を握らなければいけませんので、注意しましょう。
そして、本堂右側にある受付所で拝観料1000円を払い、内陣へ。途中、様々な寺宝が展示されていますが、一番奥には本尊である十一面観音像と千手観音像、その両脇に梵天像と帝釈天像、更にその脇にお前立ちの十一面観音像と毘沙門天像が祀られていました。但し、私が訪れた時は、お前立ちの十一面観音像は名古屋市立博物館の西国三十三所展で展示されており、お寺には祀られていませんでした。
お寺の方の説明があり、本などでは紀三井寺のご本尊は十一面観音像のみが書かれていますが、本当は千手観音像もご本尊なのだそうです。千手観音像は手の数は40本のものが多いですが、こちらの観音像は手が本当に千本あるそうです。両本尊とも男性的で、素朴、荒仏と表現されていました。
梵天、帝釈天像は聖観音と非常に似ており、仏像としてみれば聖観音かも知れないが、お寺では梵天、帝釈天像として伝わっているそうです。そして説明の最後に、本尊である十一面観音と千手観音の御真言を全員で唱えました。今回の結縁開帳は西国観音霊場の全寺院で観音像が御開帳されるので仏像を単に美術品としか見ない人も訪れるでしょうが、西国三十三観音霊場の寺院はやはり信仰のお寺です。それを実感する為にも、全員で御真言を唱えるのは良いと感じました。
次は前回訪れた時に行かなかった地下にある霊宝堂へ行きました。西国三十三観音の観音様が全て祀られており、そこを巡るだけで全てのお寺を巡ったのと同じ功徳を得られるようになっていました。また、りっぱな救世観音像も祀られていました。
最後は仏殿に行きました。そこには、松本明慶氏が作成した大きな千手観音像が祀られていました。見上げると本当に大きな像です。三階に登って、窓から観音様のお顔をみられるようにもなっていました。また三階から見る景色も素晴らしかったです。