西国三十三観音霊場巡りの旅 中山寺(結縁御開帳)

中山寺(結縁御開帳)

巡礼記

訪問日:平成21年9月12日

阪急宝塚線中山駅で下車しました。駅の北口から出て、少し歩くとすぐに中山寺の大きく立派な山門に到着しました。山門から境内に入るとまずは左右に塔頭が並んでいます。そこをすぎ、しばらく歩くと石段があり、それを上ると本堂です。「石段を上る」と書きましたが、中山寺にはエスカレーターがあり、石段を上らなくても本堂に着くことができます。子授祈願、安産祈願のお寺らしい優しさが感じられます。私はせっかくですので、エスカレーターを使いました。

エスカレーターで上ってまず目に入ったのが9月1日に行われた中日法要の結縁塔婆です。中日法要には参加できませんでしたが、塔婆にふれ、御利益を少し分けて貰いました。そして本堂の方に進むと本堂前に結縁綱が結ばれた金剛杵 (こんごうしょ)がありました。また新型インフルエンザ対策としてアルコール消毒液が置かれていました。この点でも中山寺の優しさを感じました。

堂内を見ると御本尊の観音様が祀られていました。ライトを当てられているため、お顔が少し白っぽく見えました。インドの勝鬘夫人が女人済度の悲願をこめて自らの姿を彫らせたと伝わっている観音像は確かに異国風な風情を持つ像のように感じました。堂内には入れませんので、左右の扉から中を覗くと右には花山法皇の掛け軸、左には愛染明王が祀られていました。

中山寺も境内が広いです。本堂の裏側にある子授け地蔵尊、大師堂でお参りをしました。本堂の右側には五大堂があり、近畿三十六不動の札所本尊であるお不動様を含む五大明王が祀られていました。五百羅漢堂では名前の通りたくさんの羅漢さんが祀られていましたが、御本尊として宝冠釈迦如来像、その脇侍として迦葉、阿難が祀られていたのが印象に残りました。

納経所でご朱印を頂いた後、閻魔堂、寿老人堂、大黒堂などでお参りをし、お昼を食べていなかったので、観音茶屋で食事を取りました。観音茶屋からは奥の院への登山口の入口が見えます。今回の訪問では奥の院も訪れるつもりでした。しかし、当日は雨でしたので、「奥の院を訪れるのは次回にしようかな」と考えていると、三人連れのご婦人の方が奥の院の方へ歩き始めました。それを見て、「奥の院への道は雨でも大丈夫なのだ」と思い、私も行くことにしました。

最初は雨もそれほどではなかったのですが、奥の院に近づくにつれ、本降りになりました。やっと奥の院に到着し、御本尊の厄神明王へお参りをしました。本堂の左右にはイサヒスクネとイソサチスクネの像が安置されていました。本堂の向かって左には大悲水があり、生で飲んではいけないようでしたので、口に含んだだけですが、普通の水とは全然違いました。

今回、雨の中ですが奥の院を訪れて本当に良かったと思います。雨でなければ経験できない良い経験ができました。中山寺に対しては「女性的な優しいお寺」という印象を持っていたのですが、奥の院は男性的なイメージを強く受けました。「西国三十三所のお寺は深い」、そう思いました。そして、西国観音めぐりがますます好きになりました。

御開帳の案内

御開帳の案内

結縁塔婆

結縁塔婆

奥の院鳥居

奥の院鳥居