西国三十三観音霊場巡りの旅 円教寺(結縁御開帳)

円教寺(結縁御開帳)

巡礼記

訪問日:平成21年11月1日

この日、最後の訪問は円教寺です。御開帳時間は16時までと書かれていますので、ロープウェイを下車すると急いで受付所に向かいました。受付で御開帳の時間を尋ねると17時までだそうで、ひとまず安心です。多分ロープウェイの運行時間と連動していて、ロープウェイの最終時間が17時の時は16時まで、18時の時は17時までだと思います。

受付所から西国三十三所の写し本尊像が道中に祀られている西国巡礼の道を歩き、摩尼殿に向かいました。摩尼殿に到着すると堂内に入り、結縁綱を握りながら、お参りをしました。そして、お堂の奥に入れるようになっていましたので、奥に進みました。

御本尊の如意輪観音像とその脇に四天王像が祀られていました。最初に円教寺を訪れた時も御本尊の観音像を拝観していますが、その時は造立以来約800年にわたって開扉されなかった秘仏如意輪観世音菩薩像が初公開されていましたので、そちらに目がいっていました。今回改めて拝観すると、とてもありがたく感じる観音様でした。昭和8年に作られたので比較的新しい観音像ですが、造られた年代など関係ありません。

摩尼殿を出た後、三つのお堂(大講堂、食堂、常行堂)を訪れました。しかし、食堂の拝観は16時までということで、終了していました。今回は訪れた時間が遅かったので、御本尊と繋がっている結縁綱に触れ、結縁することはできましたが、それ以外に関しては物足りないお寺めぐりになってしまいました。ですので、以下に御開帳の時ではありませんが、円教寺を訪れた時の巡礼記を掲載します。


訪問日:平成20年8月26日

JR姫路駅で下車し、前回の西国三十三観音めぐりの時の乗ったバス乗り場へ行きましたが、書写山行のバスがありません。「乗り場が変わったのかな」と思いながら、一乗寺へ行った時に乗ったバス乗り場へ行くとありました。窓口を見ると書写山ロープウェイセット券が1300円で売っていましたので、そのチケットを購入しました。

バス、ロープウェイに乗って書写山へ。ロープウェイにはガイドさんが乗っていたのは前回と同じでした。ひめじ田宴アートが行われており、ロープウェイからは実物大の姫路城、兵庫県のマスコットである「はばタン」を見ることが出来ました。

志納金を払い、西国巡礼の道を歩きます。西国巡礼の道という名前の通り、西国三十三観音霊場の写し本尊像が道中に祀られています。全て素晴らしかったですが、葛井寺の千手観音は千本の手が細かく作られていた、長命寺の観音様の台座には「念ずれば 花ひらく」の詩が書かれていましたので、印象に残りました。また途中の見晴台からは田宴アートの姫路城とはばタンが綺麗に見えました。

葛井寺の千手観音

葛井寺の千手観音

田宴アート 姫路城&はばタン

田宴アート 姫路城&はばタン

しばらく歩くと摩尼殿の下へ。摩尼殿への階段の隣には三十三所堂があり、西国三十三観音霊場の御本尊が祀られていました。三十三所堂は前回来た時には気付きませんでしたが、今回はしっかりお参りをしました。そして摩尼殿の中へ。前回訪れた時は御本尊が開帳されていましたが、今回は開帳されていないので、堂内の印象が随分異なりました。今回は堂内の参拝者も少なく、ゆっくりお参りをすることができました。

次は三つのお堂(大講堂、食堂、常行堂)へ。前回は大講堂、常行堂とも開帳していましたが、今回は開帳しておらず、普段は御開帳していないことを知りました。拝観料を払い、食堂の宝物館へ。定朝作の大日如来があり、天台宗では胎蔵界の五智如来が、真言宗では金剛界の五智如来が祀られることが多いと書かれていました。金剛薩捶坐像は密教で特に信仰される菩薩だそうです。鶴の上に如意輪観音が乗っている鶴上の観音像が祀られており、非常に珍しい仏像だと思いました。そして最近、よくお会いしている僧形文殊菩薩像が祀られており、何かご縁を感じました。その他、弘法大師の手形、藥師三尊と十二神将、五大明王が祀られており、非常に見所の多い宝物館でした。

次は奥の院である開山堂へ行きました。開山堂の前には護法堂(乙天社と若天社)がありました。乙天、若天は性空上人を仕えた童子で、乙天は不動明王、若天は毘沙門天の化身だそうです。天台宗には不動明王、毘沙門天の組み合わせが多いです。開山堂でお参りをした後、お寺の方が話しかけて下さり、色々なことを説明してくれました。厨子の中に性空上人の像が祀られていたのですが、こちらの像は本来お前立ちで本尊は奈良国立博物館の展示に出品されているそうです。展示の後は学術調査があるそうで、今年一杯はこの状態が続くのだそうです。また、左甚五郎作の力士像も紹介してくれました。そして一番為になったのが和泉式部の歌「暗きより 暗き道にぞ入りぬべき 遙かに照らせ 山の端の月」の解説です。一般の本に書かれている内容より、弥勒菩薩のことなど重要な部分に焦点を当てた分かり易い話でした。是非、開山堂へ行かれた時にはその解説をお聞き下さい。

そして最後は性空上人が六根清浄の行をつんで心眼を開いたとされる場所にある白山権現へ行きました。前回訪れなかった場所で今回、是非訪れたいと思っていました。私以外は誰もおらず、ゆっくりお参りをすることができました。ちなみに白山権現へ行く道は大講堂横の道と摩尼殿横の道がありますが、大講堂横の道を登りましょう。摩尼殿横の道は傾斜が急で登るのが大変です。

今回は二度目の訪問でしたが、円教寺は良いお寺だと思います。次回は今回暑すぎてできなかった写経をしたいと思います。