西国三十三観音霊場巡りの旅 松尾寺

松尾寺

寺伝

唐の僧である威光上人が松の大木の下で修行していたところ馬頭観音を感得し、草庵を結んだのが始まりです。松尾寺という名前もこの松にちなんでつけられたそうです。

巡礼記

訪問日:平成19年9月16日

今回の西国三十三観音巡りで一番天気を心配したのがこの日です。松尾寺までは公共機関を使って行くとするとJR松尾寺駅から45分ほど歩かなければなりません。よって雨が降っていると行くのが大変ですし、場合によっては訪問を中止しなければいけません。舞鶴市内で一泊をし、ホテルで朝食を食べている時に外を見ると少し雨が降っていました。しかしホテルを出る頃には雲が多少あるものの雨は降っていませんでした。

JRに乗って松尾寺駅を目指します。ここで注意したいのは小浜線は本数がものすごく少ないので必ず電車の時刻を事前に調べておくことです。次が松尾寺駅というときになって松尾寺駅は「まつのおでらえき」と呼ぶことを車内案内により初めて知りました。

松尾寺駅で下車しましたが、出口がどこか分かりませんでした。前方のほうをよく見ると出口と書いてあったのでそちらに向かいました。ちなみに降りたのは私を含めて二人だけでした。この頃には天気が快晴に近い状態になっていました。晴天にしてくれた仏様に感謝です。

駅を降りると松尾寺までの道は近畿自然歩道になっており、下の写真のような松尾寺を示す案内板が要所要所にありました。案内板に従ってしばらく歩くと写真に示す林道のような道を歩くことになりました。林道を歩くとチョウやバッタなどの昆虫がいました。また朝に雨が降った為、カエルも何匹か見かけました。そして歩いていると前方でカエルのようなものが二匹飛び跳ねているように見えました。一匹は左側の林の中に入り、もう一匹はまだ道の真中にいるようでした。道の真中にいるので踏んではいけないと思い注意して歩いて行き、その場所をよく見るとなんとヘビがいました。ヘビは弁財天さんのお使いなので邪険に扱う訳にはいきません。「どいて下さい」と思っていると元来た方向に戻っていきました。

松尾寺駅

松尾寺駅

松尾寺を示す案内板

松尾寺を示す案内板

林道のような道

林道のような道

林道を抜けると車道を歩くことになりました。ここで歩いて駅に戻られる方とすれ違い、あいさつをしました。車道をしばらく歩くと、「徒歩登り近道、西国古道」と書かれた看板があり、山道がありました。私は西国古道という言葉に惹かれたのでその道を登ることにしました。しかしこの道、登る人がほとんどいないようで草がいっぱいで地面がはっきり見えない場所が数箇所ありました。お地蔵さんが錫杖(しゃくじょう)を持っている理由の一つとして、助けを求める者を救済する為に各地を歩いている時に虫などを踏まないようにする為であると書いてあるのをどこかで読んだ気がしますが、錫杖の必要性を実感しました。地面がはっきり見えない場所は錫杖でまず虫などを追い出してから歩きたかったです。

車道

車道

西国古道入口

西国古道入口

西国古道

西国古道

西国古道を抜けると再び車道と合流しました。歩いて駅に戻られる方と出会い、「あと少しで松尾寺です。」と教えてもらいました。それからしばらく歩くと本堂への石段の下に着きました。石段を登ると仁王門がありました。仁王門に飾られてあった千羽鶴は馬の形をしているように見えました。そして本堂に行き、観音様にお参りをしました。お参りした後に売店の方と少し話しましたが、松尾寺は馬頭観音を祀っているので競馬関係の方がよくお参りに来るそうです。納経所は本堂とは別の場所にありますので、そちらに行き、ご朱印と慈悲の道を頂きました。散華は自由に取れるようになっていました。

正直に書くと松尾寺は少々物足りなく感じました。本堂以外に拝観する場所がほとんどなく、本堂でお参りするとそれでおしまいという感じです。松尾寺のご住職は徒歩で西国三十三観音巡礼をなさっており、本も多数書かれ、法話も素晴らしいと満願寺のガイドブックに紹介されているので、月に一回、観音様のご縁日にでも個人参拝者を対象に法話をしてくれればよいのにと思いました。

仁王門と千羽鶴

仁王門と千羽鶴

本堂

本堂

納経所

納経所