西国三十三観音霊場巡りの旅 施福寺(槇尾寺)

施福寺(槇尾寺)

寺伝

欽明天皇の時代に行満上人が創建しました。役行者が法華経二十八品を書写して葛城の峰々に分けて納めた時、如法峯にその巻(まき)の尾(お)を納めたので、槇尾(まきお)と呼ばれるようになりました。本尊の千手観音は771年に法海上人が千手観音を感得し、その姿を刻んで安置したものです。793年に弘法大師空海が剃髪得度したお寺でもあります。

巡礼記

訪問日:平成19年10月14日

泉北鉄道の和泉中央駅で下車するとバス乗り場が駅を出てすぐのところにあり、2番パスのりばから槇尾山口行きのバスに乗りました。そしてバス停「槇尾中学前」で下車しました。値段は330円でした。ここで槇尾寺へ行くシャトルバス(オレンジバス)に乗り換えました。オレンジバスの乗り場はバス停「槇尾中学前」と道を挟んで反対側にあり、降りる時にバスの運転手の方が教えてくれました。オレンジバスはそれほど大きくなく、私が乗った時はほぼ満員の状態でした。バスは10分ほどで槇尾寺の入口に着きました。値段は300円でした。オレンジバスの運転本数は、西国三十三観音霊場の公式ホームページにある槇尾寺のところに書いてあります。日曜日と祝日には、それなりの本数がありますが、平日と土曜日は本数が少ないです。よってオレンジバスを利用して槇尾寺へ行こうと考えている方は、日曜日か祝日に行くことをお薦めします。私も日曜日に行きました。

バスを降りて本堂に向かって歩き始めました。仁王門がある場所までは、舗装された急な坂道を歩かなければならなかったので、ゆっくりとしか歩けませんでした。仁王門を過ぎると舗装されていない土の道となり、傾斜も楽になったので先程に比べて歩き易くなりました。仁王門の近くに「迎え観音」像が祀られていました。傍の案内板には、“今日、一日だけでもいい。「一日ほとけ」「一日観音」を実行して下さい。「衆生本来、ほとけなり」”と書かれていました。「観音菩薩のような慈悲にあふれた人になる」というのは、観音霊場巡りをしているものにとって一つの大きな目標だと思います。

参道入口

参道入口

迎え観音像

迎え観音像

バスを降りた場所辺りから本堂までは車で来られた方も歩かなければならないので、行き帰りとも、多くの方が歩いていました。距離は全然違いますが、第11札所の上醍醐に行った時のことを思い出しました。本堂への参道の途中には、西国愛染十七霊場の愛染明王を祀り、空海が剃髪した場所に建つ愛染堂、剃髪した空海の髪が納められている弘法大師御髪堂がありました。これらのお堂にお参りをしないでまっすぐ本堂に向かう方もいらっしゃいましたが、やはり行きか帰りのどちらかにお参りをしたいところです。西国三十三観音霊場巡りをしているからといって、観音様だけにお参りをすれば良いと考えるのは違うと思いますし、観音様もそのような巡り方を望んでいないと思います。愛染堂、御髪堂でお参りしながら歩いて行くと、本堂に到着しました。早速、本堂で観音様にお参りをしました。そして納経所でご朱印と散華を頂きました。慈悲の道は自由に取れるようになっていました。

参道の景色その1

参道の景色その1

参道の景色その2

参道の景色その2

愛染堂

愛染堂

弘法大師御髪堂

弘法大師御髪堂

本堂

本堂

境内を散策すると、本堂前に神馬の像がありました。これは、花山法皇が西国三十三観音巡礼中に3番札所の粉河寺から槇尾寺へ向かう途中で道に迷った時、馬が現れて道案内をしたことに由来しているそうです。境内には救世観音像と六道観音像があったのですが、どちらも由来を書いた案内板の字が薄くなっていて由来についてはよく分かりませんでした。西国三十三観音の本尊を祀った西国三十三ヶ所観音堂もありました。槙尾寺のご本尊は秘仏で年に一回しかご開帳されないので、このような観音堂があるのはありがたいことです。境内の展望台から周りの山々を眺めると槙尾寺が山深い場所にあることを実感しました。

そして参道を戻り、入口付近にある満願弁財天を祀るお堂に行きました。お堂の近くには水はあまり流れていなかったですが滝があり、役行者を祀る小さなお堂や不動明王像などがあり、修験道の道場であったことを感じることができました。槙尾寺を訪れた際はこちらも是非訪れることをお薦めします。

神馬の像

神馬の像

西国三十三ヶ所観音堂

西国三十三ヶ所観音堂

展望台から周りの山々

展望台から周りの山々

満願弁財天堂入口

満願弁財天堂入口

満願の滝

満願の滝