西国三十三観音霊場巡りの旅 施福寺:槇尾寺(結縁御開帳)

施福寺:槇尾寺(結縁御開帳)

巡礼記

訪問日:平成21年10月18日

本数の少ないオレンジバスを利用して施福寺(槇尾寺)を訪れる場合には事前に電車・バスの接続時間を調べておく必要があります。私も前夜、インターネットを使って、しっかり時刻を確認しました。

大阪市営地下鉄御堂筋線に乗って梅田駅からなかもず駅へ行き、そこから泉北鉄道線に乗り換え、和泉中央駅に行きました。和泉中央駅を出ると以前来た時とバス乗り場の場所が違っており、バス乗り場の案内を見ると槙尾山口行きバスは三番乗り場から出ていると書いてありました。そこで三番乗り場に行って時刻表を見ると事前に調べた時刻と全然違っており、びっくりしました。

昨日の夜に時刻をメモした紙と時刻表を何度見比べてもやはり違います。「昨夜は全然関係のない時刻表を見ていたのか」と思い、「しようがないからタクシーで行くか」と思い、もう一度バス乗り場の案内を見ると槙尾山口行きバスは二番乗り場からも出ていると書いてありました。そこで二番乗り場の方を見るとそれらしい格好をした方が何人もいらっしゃいました。

二番乗り場に行き、時刻表を見ると昨夜調べた時刻と同じです。「間違えていなかった」と思い、槙尾山口行きバスに乗り、槙尾中学校前で下車しました。ここからオレンジバスに乗り換えますが、御開帳中の日曜日ということで大勢の乗る人がおり、小さなオレンジバスでは一度で乗せきることができないので、一度槙尾寺まで行って再び戻って来て、残りの人を乗せるということになりました。私は二回目のバスに乗りましたが、一回目のバスが予定時刻より早く出発したので、予定より8分遅れただけで槙尾寺の入口に着きました。

オレンジバスを降りると「涼しい」というのが第一印象でした。槙尾寺辺りと槙尾中学校辺りでは体感気温が随分違いました。本堂までは徒歩30分程度で着きますが、仁王門までは急な坂道を登らなければならないので大変です。仁王門の前には前回訪れた時に印象に残った「迎え観音」像が祀られていました。

仁王門からは舗装されていない山道となりますが、私的にはこちらの道の方が歩き易いです。行き、帰りに多くの人とすれ違い、「こんにちは」と挨拶しましたが、やはり挨拶は良いですね。挨拶をして、悪い気持ちになることはありません。

本堂への最後の石段を登り切るとまずを手を清め、それから本堂へ行きました。本堂の内陣では団体の方がお参りしていましたので、お堂の外から簡単なお参りをした後、朱印を待つ列に並びました。朱印を頂いた時には団体の方の参拝も終了していましたので、本堂の中に入りました。ちなみに内陣には無料で入ることができました。

入ってまず驚いたのが、観音様が中央に祀られているのではなく、向かって左の壇に祀られていたことです。西国三十三所の本で「札所本尊の観音様は必ずしもお寺の本尊ではない」と書いてあったことをすぐに思い出し、札所本尊の十一面千手観音像と結ばれている結縁綱を握りながらお参りをしました。

観音様の隣は本尊の弥勒菩薩でした。ここで一つの謎が解けました。実は納経所で朱印を待っている間、団体の方の読経する声が聞こえていたのですが、そこで千手観音の御真言に加えて、弥勒菩薩の御真言を唱える声が耳に入りました。「なぜ弥勒菩薩の御真言を唱えるのか」と思っていましたが、御本尊が弥勒菩薩なのでその真言を唱えていたのだと分かりました。

弥勒菩薩の向かって右側には文殊菩薩像が祀られていました。それぞれの仏像はより近くによって拝観できるのでもう少し近くに寄りました。文殊菩薩像は立像で、獅子ではなく、蓮弁に乗っていました。文殊菩薩像といえば獅子に乗っている坐像を思い浮かべますが、立像はあまり拝観したことがないので、その御姿は強く印象に残りました。

弥勒菩薩像は全体を拝観することはできませんが、大きな仏像でした。また今月の10日に訪れた大津市歴史博物館の「湖都大津社寺の名宝」の図録で弥勒菩薩像は左手が降魔印をしていると書いてあったので確かめると左手が降魔印をしていました。

札所本尊の観音様に再びお参りした後、参拝順路に沿って隣の部屋に行くと正面に弘法大師像、その後ろに向かって左から弁財天、不動明王、伝教大師像が祀られていました。槙尾寺は天台宗のお寺ですが、弘法大師が剃髪した場所ですので、弘法大師とも非常に縁の深いお寺です。

次はお堂の裏側です。方違大観音像が祀られていたのですが、想像よりも大きな仏像でビックリしました。そして、裏側の中央に馬頭観音像が祀られていましたが、こちらも立派な仏像でした。槙尾寺の仏像はどれもレベルが高かったです。

本堂から出ると境内にある西国三十三ヶ所観音堂でお参りをし、しばらく休憩した後、下山しました。下山途中、本堂へ向かう時にお参りしなかった弘法大師御髪堂、愛染堂でお参りをしました。

下山した後、満願弁財天を祀るお堂でお参りをしました。前回訪れた時は滝に水があまり流れていなかった記憶があるのですが、今回はそれなりに流れていました。また前回は私以外に参拝者はいませんでしたが今回はたくさんの方がお参りしていました。

最後に前回訪れた時にお参りしなかった満願不動尊を祀るお堂でお参りをして、オレンジバスに乗り、槙尾寺を後にしました。

開帳案内

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