西国三十三観音霊場巡りの旅 長谷寺

長谷寺

寺伝

686年に道明上人が天武天皇の病気快癒の為に、本長谷寺の地に銅板法華説相図を安置しました。727年に徳道上人が十一面観音像を安置したのが始まりです。

巡礼記

訪問日:平成19年5月12日

長谷寺は個人的に非常に思い出深いお寺です。私は西国三十三観音霊場の存在については以前から知っていましたが、「全部巡るのはとても無理だ」と思って西国三十三観音霊場巡りを始めようとは考えていませんでした。

数年前のある日、室生寺・長谷寺を訪問する為に奈良に行きました。その時は室生寺訪問をメインに考えていて、長谷寺は「室生寺の近くにあるからついでに訪問しよう」程度にしか考えていませんでした。しかし長谷観音を拝観した時、とても感動しました。長谷寺式の観音像は鎌倉の長谷寺で何度も見ているにもかかわらず、奈良の長谷寺の観音様はとてもりっぱで素晴らしかったです。そして納経所で朱印を頂いた時に慈悲の道を見つけ読んでみると為になることが書いてありました。

「このような素晴らしい観音様に会え、慈悲の道のような為になるものが頂けるのならば、西国三十三観音巡りを始めよう」と思ったのでした。つまり、長谷寺の観音様は私に西国三十三観音霊場巡りを発願させてくれた観音様です。また私は「西国三十三観音霊場巡りの旅」において各寺院毎の巡礼記の中で必ず慈悲の道を頂けたかどうかについて書いていますが、それは慈悲の道に思い入れがあるからです。


近鉄大阪線長谷寺駅で下車し、徒歩で長谷寺に向かいました。お店が立ち並ぶ門前商店街までには要所要所に案内板がありますので、迷うことは無いと思います。商店街では試食用の草餅を配っており、それらを頂きながら歩きました。途中、番外寺院の法起院がありましたが、長谷寺にお参りしてから訪れようと思い、立ち寄りませんでした。

しばらく歩くと長谷寺の仁王門が見えました。真言宗豊山派の大本山に相応しい立派な建物です。拝観料500円を払い、境内に入りました。そして399段の登廊を歩いて本堂へ。登廊を歩いていると、「古刹」という言葉が長谷寺にはぴったり当てはまる気がしました。登廊の途中には蔵王堂がありました。蔵王権現は吉野が世界遺産に登録されたのを記念してご開帳された時に拝観して以来、好きな仏様です。今年の十月に再びご開帳があるそうなので楽しみにしています。

仁王門

仁王門

登廊その1

登廊その1

登廊その2

登廊その2

登廊が終わると、いよいよ本堂です。数年ぶりに拝観する長谷寺の観音様はやはり素晴らしかったです。他の参拝者の邪魔にならないところに立ち、しばらく観音様をじっと見ていました。その後、脇侍の春日大明神、天照皇大神にお参りをしました。次に本堂前面の舞台に行きました。舞台から見る五重塔は美しく、多くの人が写真を撮っていました。また本堂の外左脇には、曽我地蔵尊が祀られていました。こちらのお地蔵さんも大きなお地蔵さんでした。本堂の裏には裏観音と呼ばれる長谷寺式十一面観音像が祀られているのでお参りをしました。

舞台から見た五重塔

舞台から見た五重塔

本堂その1

本堂その1

本堂その2

本堂その2

そして納経所で御朱印を頂きました。散華と慈悲の道は自由に取れるようになっていました。納経帳をかばんにしまう時にふと納経所の方を見ると奥に西国三十三観音霊場用の掛軸が何本か掛けられており、その中に長谷寺式観音が描かれた掛軸がありました。それを見た時、「二巡目は長谷寺式観音が描かれた掛軸で西国三十三観音霊場を巡ろう」と瞬時に思いました。

観音様にお参りした後も長谷寺には見所がいっぱいです。本堂の右手には、日限地蔵堂、愛染堂などがあります。左手には大黒堂があり、少し歩くと御影堂、本長谷寺、五重塔等があります。大寺院の多い西国三十三観音のお寺では観音様の御朱印を頂いたらすぐ次の札所を目指すのではなく、諸堂をゆっくり訪れたいものです。

御影堂

御影堂

本長谷寺

本長谷寺

五重塔

本堂その2

現在、長谷寺では「観音経偈三十三万巻の写経勧進」を行っています。よって総受付で写経用紙を購入して、長谷寺を後にしました。もちろん門前商店街で草餅を買って帰りました。個人的に日本三大観音を選ぶならば、

  • 東京の浅草寺
  • 京都の清水寺
  • 奈良の長谷寺
です。

リンク集

長谷寺ホームページ 長谷寺公式ホームページ