奈良国立博物館における西国三十三所
巡礼記
訪問日:平成20年9月27日
平成20年8月1日から9月28日まで、奈良国立博物館で特別展「西国三十三所」が開催されています。西国三十三所の先達には招待券が配布されましたので、いつか行こうと思っていましたが、中々その機会に恵まれず、やっと最終日の一日前である9月27日に訪れることができました。
展示は質、量とも十分に満足のいく内容でした。印象に残った展示を以下に紹介します。
醍醐寺の清瀧本地両尊像
醍醐寺の鎮守である清瀧権現の本地仏は、如意輪観音と准胝観音の二尊で、それぞれが胎蔵界と金剛界の大日如来の化身だそうです。
岡寺の菩薩半跏像
岡寺の本尊である如意輪観音像の胎内に納められていた像です。素晴らしいの一言です。
清水寺の千手観音坐像
奥の院の本尊で、おそらく本展示の一押しだと思います。写真よりも実物の方が断然良いです。数多くの仏像が展示されていましたが、一番の仏像だと思います。
三室戸寺の観音菩薩坐像
大和座りをしている観音様です。大和座りをしている観音様を拝観したのは初めてかも知れません。
円教寺の如意輪観音坐像
性空上人の壱千年の遠忌として造立以来約800年にわたって開扉されなかった秘仏如意輪観世音菩薩像です。一巡目の西国三十三観音めぐりで円教寺を訪れた時に運良く拝観していたので、今回再び拝観した時、懐かしい思いがしました。
円教寺の性空上人坐像
頭部に骨を入れたガラス製の壺が納められていることが最近判明した像です。今年の七月に円教寺を訪れた際、開山堂のお寺の方に調査する話を聞いていたので、なおさら印象深い像です。
岡寺の釈迦涅槃像
展示室に入った時に釈迦涅槃像が見えたので、てっきり穴太寺の涅槃像かと思っていましたが、岡寺のものでした。
三室戸寺の釈迦如来立像
現在最古の清涼寺式釈迦像です。りっぱなお顔をされていましたが、特に左目が印象に残りました。
長谷寺式観音
長谷寺式観音像の特徴は地蔵信仰と習合した結果、右手に錫杖を持っている点ですが、もう一つあるそうです。それは、観音様は一般に蓮の花をかたどった台座(蓮華座)に乗っていますが、長谷寺式は方形の大盤石を台座としている点だそうです。今まで長谷寺式の観音像をいくつか拝観しましたが、全く気づきませんでした。
展示物を見た後、売店にいくと、NHKの趣味悠々で「はじめての西国三十三所巡り」を放送することを知りました。これは見なければいけません。今回の展示を拝観して、「西国三十三所は素晴らしい、そして二巡目を始めたい」と改めて感じました。