旧小机領三十三観音霊場巡りの旅 慶運寺

慶運寺

巡礼記

訪問日:平成20年4月20日

七番札所である本覚寺からガイドブックに付いている地図に従って歩くと、まず慶運寺に着きました。慶運寺は九番札所のため、先に八番札所である宗興寺でお参りしようと思い、そのまま歩を進めましたが、宗興寺は法事のようなので、来た道を引き返し、慶運寺に戻ってきました。

山門付近には、1859年に横浜が開港した時にフランス領事館であることを示す石碑がありました。また浦島観世音浦島寺と書かれた石碑とそれを支える亀の石像もありました。

慶運寺なのになぜ浦島寺と書かれているかというと、かって慶運寺の近くに観福寿寺という浄土宗のお寺がありました。観福寿寺は浦島太郎が竜宮城から持ち帰ったといわれる観音菩薩像を本尊として祀っていたので、浦島寺とも呼ばれていました。残念なことに明治時代に浦島寺は火災に遭い、消失してしまいました。

しかしながら不幸中の幸いですが本尊の観音菩薩像は無事だったので、慶運寺に観音堂を建立し、祀られました。よって、慶運寺に浦島寺と書かれた石碑があります。この話を初めて知った時、浦島太郎が竜宮城から戻ってくる時、乙姫様から玉手箱だけでなく観音像も頂き、その観音像が現在、観音堂に祀られている観音様であるという部分が一番印象に残りました。

フランス領事館碑

フランス領事館碑

浦島観世音浦島寺碑

浦島観世音浦島寺碑

慶運寺入り口

慶運寺入り口

境内に入ると水屋があり、水を入れる部分が亀のような形になっていました。そして境内を見渡すと本堂と観音堂がありました。しかし、何故か違和感を感じました。直ぐにその理由が分かりました。それは観音堂の前に今まで訪れた寺院では必ずあった供養塔がなかったからです。

観音堂へ行くと、中には観音様、その両脇に浦島太郎の像と乙姫様の像が祀られていました。観音様は浦島太郎ゆかりの観音様らしく亀の上に乗っていました。それらの像にお参りをした後、観音堂隣にある納経所で御朱印を頂きました。納経所には浦島伝説を書いた紙が置いてありました。

本日訪れた本覚寺、宗興寺、慶運寺のある辺りはかって神奈川宿場だった場所なので、様々な史跡があります。旧小机領三十三観音霊場巡りでなくとも、歴史に興味があれば散策するには楽しい場所だろうと思いました。

亀のような形をした水屋

亀のような形をした水屋

観音堂

観音堂

本堂

本堂