旧小机領三十三観音霊場について
江戸幕府八代将軍吉宗の時代、法昌寺の宗運和尚と朝庵和尚が泉谷寺の転誉上人を訪ね、観音霊場設立の相談をしました。三人は小机領内を巡って霊場にふさわしい寺院を選び、転誉上人から幕府に霊場開設の願いが出され、1732年(享保17年)子の歳に小机領三十三所観音霊場が開創されました。
江戸時代においては西国三十三観音霊場を巡礼することは至難の業であり、領内に観音霊場が設立されたことに喜ぶ人々で札所は大いに賑わいました。そして、開創から24年後の宝暦六年子の歳、各寺院が一斉に御開帳をし、更に賑わいが増しました。それからは子年毎に御開帳されることになりました。
平成二十年の子の歳は、四月一日から五月六日まで札所本尊の観音様が御開帳されます。三十三寺院の中、三十一箇所が横浜市、残りの二箇所は川崎市、町田市にあり、巡礼をすると、横浜周辺にも素晴らしい観音寺院が数多くあることを実感できると思います。子年には旧小机領三十三観音霊場を巡礼し、観音様との出会いを楽しみましょう。