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三井記念美術館 特別展「仏像の姿」を鑑賞しました

三井記念美術館 「仏像の姿」特別展の入口の案内

東京都中央区にある三井記念美術館では、9月15日から11月25日まで、特別展「仏像の姿」を開催しており、本日、9月17日に訪れました。三井記念美術館の案内には

日本には、古来多くの優れた仏像が伝えられています。本展覧会は、これら仏像の作者である仏師の豊かな独創性と高度な技術に光を当て、特に仏像の「顔」「装飾」「動き」を切り口に、多様な表現による魅力的な仏像を一堂に展示して、日本人の心と創造力を様々な角度からご覧いただきます。

とありますので、「顔」「装飾」「動き」を切り口に感想を書きたいと思います。

展示1

(1-1)迦陵頻伽立像
 お顔がとても楽しそうに笑っていますので、見ているこちらも楽しい気分になりました。一番最初に鑑賞するに相応しい像だなと思いました。案内に「本像は鎌倉の覚園寺の薬師三尊の光背に付されている迦陵頻伽像の可能性がある」とあり、覚園寺には何度も訪れているので、興味深かったです。

(1-2)如来立像
 左手が施無畏印、右手が与願印と通常とは逆手になっており、普通では上手くいかない相手に説法をしている姿に感じました。

(1-3)四天王眷属立像
 東京国立博物館所蔵の像で、以前拝観したことを覚えている個性的な像です。それもそのはずで、四天王眷属の彫像としては現在唯一の作例とのことです。赤い東方天眷属は下を向いており、黒い南方天は上を向いており、それぞれの方向から入ってくる悪を監視しているように思いました。

(1-4)菩薩立像
 手が大きいのが印象的で、大きな手で悪を掴み取る姿に感じました。

(1-5)薬師如来立像
 右手で衣を掴み、少し斜めに傾いて立っており、悪に押されても踏ん張っている姿に感じました。

(1-6)観音、勢至菩薩立像
 来迎形の像であり、亡くなった方がとても徳が高い人なので、丁寧にお迎えに来た姿のように感じました。

(1-7)菩薩立像
 (A), (B)二体の像があり、(B)から鑑賞しました。(B)の像は子供のように見え、手に何かを持って、今まさに何かをしようとしている姿に感じました。(A)の像は向かって右、(B)像の方を見ており、(B)の像が年長者で、(A)の様子を見ているように感じました。

(1-8)十一面観音立像
 遠くから見て、まず個性的な像だなと感じました。近くにより、お顔を見ると、菩薩になったばかりの表情のように感じ、(菩薩になったばかりなので)衣などを上手く着こなせていないため、個性的に見えるのかなと思いました。

(1-9)菩薩坐像
 (A), (B)二体の像があり、(B)から鑑賞しました。(B)像は右膝を立てており、遊戯坐像かと思いましたが、案内によると楽器を演奏する姿だそうです。確かに笛を吹いている姿に見えます。(A)像は明らかに楽器を演奏している姿に見えました。

展示2

(2-1)不動明王立像
 本展示のポスターに採用されている不動明王立像で、案内によると、威嚇の見栄を切る典型的なポーズとのことです。悪を征伐した時の決めポーズのように感じました。

三井記念美術館 「仏像の姿」ポスター

三井記念美術館 「仏像の姿」ポスター

展示4

(4-1)毘沙門天立像
 案内の「怒りを抑えた落ち着きのある自然な表情で」という説明が正にその通りだと思いました。

(4-2)地蔵菩薩立像
 右手に錫杖を持ち、左手に宝珠を持つ典型的な地蔵菩薩の姿で、光背を含め、綺麗に整った仏像だなと感じました。

(4-3)阿弥陀如来立像
 こちらの像は、仏師が実際に大きな如来様にお会いし、その姿を刻んだ姿のように感じました。

(4-4)阿弥陀如来立像
 綺麗な仏像で、全てが上手く整っていると感じました。

(4-5)弥勒菩薩立像
 こちらも綺麗な仏像で、全てが上手く整っていると感じました。最初の画像の右側の仏様です。

(4-6)阿弥陀如来及び両脇侍像
 脇侍が片足を後ろ斜めに上げている珍しい姿です。早く極楽浄土に届けることを表現しているのかなと思いました。

(4-7)毘沙門天立像
 肥後定慶作の仏像です。顔がふっくらしており、子供のように感じ、一点を見つめる表情に真剣さも感じました。邪鬼も一点を見つめており、印象に残りました。何故、邪鬼も一点を見つめているのでしょうか。毘沙門天に踏まれている邪鬼は一般に悪が仏に征伐された姿を表しています。本像の場合は、そこから一歩進んで、悪の邪鬼が改心して善に変わった姿を表しているのではないかと思いました。

(4-8)毘沙門天立像
 倒した悪を見下ろしている姿に感じました。また、多宝塔を見せ、仏の絶対的な正しさを悪に示しているようにも感じました。

(4-9)毘沙門天立像
 こちらの像は目にとても迫力を感じました。

(4-10)毘沙門天立像
 こちらの像も4-8の像と同様に倒した悪を見下ろしている姿に感じました。

(4-11)広目天立像
 大きく開いた目が特徴的な像だと感じました。

(4-13)二天立像
 片方の像は口を開けており、もう片方の像は口を閉じています。口を開けた像は悪を叱っており、口を閉じた像は話を聞いている姿に感じました。

(4-15)不動明王坐像
 悪に反撃しようとしているその一瞬を表現しているように感じました。

(4-16)不動明王立像
 強風で髪が上方に跳ね上がっており、強風の中、つまり悪が多い世の中でも、正しいことをするという強い意志を持った姿に感じました。

(4-17)不動明王像及び二童子像
 神奈川県称名寺の像で、称名寺(金沢文庫)にはよく訪れているので、拝観したことを覚えています。こちらの像も髪型が変わっており、前髪が額に垂れています。よって、4-16像と同じ感想、悪が多い世の中でも、正しいことをするという強い意志を持った姿に感じました。

(4-18)不動明王立像
 悪を討ち滅ぼした後、その過程を振り返っている姿に感じました。

(4-19)如来立像
 右手は衣を握り、左手は施無畏印の逆手であり、悪行を改めない相手に対して、どのように対応すべきか考えている姿に感じました。

(4-20)大日如来坐像
 良いお顔をされている大日如来像だと思いました。

(4-21)釈迦如来立像
 いわゆる清凉寺式釈迦如来像で、優しいお顔をされているなと感じました。

(4-22)十一面観音立像
 ひときわ大きな像で、像高は178センチあり、少し下がって鑑賞しました。大きな仏像は仏様の偉大さが素直に伝わってきます。

(4-23)菩薩半跏像
 肩にある髪が特徴的で、長く瞑想していたので、そのような姿になったのかなと思いましたが、右足を踏み下げた姿は瞑想の姿ではないので、不思議な像だなと感じました。

展示5

(5-1)観音菩薩立像
 色が全体的に黒く、木造だとは思えない像です。左手は施無畏印で、人差し指だけを上げており、どのような意味があるのだろうと思いました。

(5-2)観音立像
 両頭部から垂れ下がる衣(?)が印象に残りました。

(5-3)観音立像
 顔が横に長い、楕円形をしているのが特徴的で、子供のように感じました。

(5-4)五大明王像
 大威徳明王像はインドの神様のようでした。軍荼利明王像は頭頂のドクロが印象に残りました。降三世明王像は踏まれている大自在天がこちらを見ているのが印象に残りました。金剛夜叉明王像は目が印象に残りました。

(5-5)十二神将立像
 寅神と卯神の姿が良かったです。十二神将ですが、六体しか展示がなく、鎌倉地方の十二神将の特徴である戌神が展示されていなかったのは残念でした。

(5-6)伽藍神立像
かっては「走り大黒」と呼ばれていましたが、東福寺の同様の像が銘記から「監斎使者」と呼ばれることが分かり、伽藍神の一人である監斎使者に修正されたそうです。像を見ていると、正に走っているという感じで、良い像です。

(5-7)雷神像
 大きく見開いた目と大きく開いた口が印象的で、こちらも走っているような姿なので、雷と一緒に落ちてくる姿を表しているように感じました。

模刻作品・修復作品

東京藝術大学の文化財保護学が制作した模刻作品、修復作品が展示されていました。模刻(復元)作品はとても上手く、驚きました。これだけの腕を持つ人達がいるのに、なぜ平成の世に平安や鎌倉時代のような仏像が生まれないのだろうと不思議に思いました。

全体の感想

とても良い内容で、訪れて大満足の展示でした。仏像を「顔」、「装飾」、「動きとポーズ」という三つの切り口で考える展示はユニークで、今後もこのような展示を継続して欲しいと思います。

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コメント

    • 大ドラ
    • 2018年 9月 18日

    来月初めに山梨の勝沼にある大善寺のご開帳を訪ねて、ついでに東京まで出てトーハクの大報恩寺展とサントリー美術館の醍醐寺展、三井記念美術館の特別展『仏像の姿』を観覧しようと思っています。

    ブログ記事のお話を拝読すると、展覧会『仏像の姿』を観覧するのが楽しみです。伽藍神像は奈良博のなら仏像館で観覧して幾らか印象に残った覚えがありますが、確かにやや古式ながら大国主命と幾らか習合した大黒天像のように見えます。修行僧を監視する神だという説明があったと思います。

      • ラーマ
      • 2018年 9月 18日

      大ドラさん、コメントありがとうございます。

      三井記念美術館の展示は本当に満足度の高いものでした。個人蔵の仏像も結構ありましたので、訪れるべき展示会だと思います。大善寺の御開帳、東京国立博物館とサントリー美術館の展示と合わせると、更に満足度の高いものになると思います。楽しんできてくださいね。

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