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  1. 博物館

特別展「開館90周年記念 鎌倉国宝館 1937-1945」に行きました

開館90周年記念 鎌倉国宝館

鎌倉国宝館は昭和3年(1928年)4月3日に開館し、今年(2018年)で開館90周年を迎えました。それを記念して、10月20日から12月2日まで、特別展「開館90周年記念 鎌倉国宝館 1937-1945(戦時下の博物館と守り抜かれた名宝)」が開催されます。鎌倉国宝館では毎週土曜日の午後2時から学芸員による展示解説がありますので、10月20日の午後2時少し前に鎌倉国宝館を訪れました。

展示概要

まず最初に案内に記載されてあった展示の概要を紹介します。

今回の特別展では、この90年の歴史の中で、大きな試練となった戦争期に焦点を当てます。日本が日中戦争から太平洋戦争に突き進む中、鎌倉国宝館は、収蔵品の一部を疎開させるなどの苦難に直面します。しかし、そのような状況下でも、館員たちは近隣寺社などと協力しながら、終戦まで休館することなく博物館としての活動を続けました。

本展では、国宝、重要文化財をはじめとする、当時開催された展覧会の出品作品などと併せて、館員たちが書き残した業務日誌など、館の様子を伝える史料も展示いたします。

鎌倉国宝館が、戦時下でどのような博物館活動を展開し、貴重な収蔵品を守り抜いたのか、その知られざる軌跡を辿ります。

第一章 日中戦争と元寇展

極楽寺の釈迦如来像と十大弟子が展示されていました。元寇の際、極楽寺の忍性は異国退散の祈祷を行ったので、1939年に鎌倉国宝館で開催された元寇展で極楽寺の仏像が展示されたとのことです。

十大弟子には、般若心経に出てくる舎利佛がいますが、十人全員を知っている人はあまりいないと思います。私は十大弟子の像を拝観する時は、阿難尊者と羅睺羅尊者にまず注目しています。羅睺羅尊者はお釈迦様の子供なので、十大弟子像の中では若い顔で造られていることが多いです。また阿難尊者は三国一の美男子と言われたほどの美形だったので、像もイケメンに造られていることが多いです。極楽寺の像は上記の特徴が出ている像だと思います。

第二章 太平洋戦争の開戦

鎌倉国宝館の収蔵品の一部が疎開されることとなり、疎開させる候補として、国宝、重要美術品がリストアップされたそうです。そのような大変な時期に、旧国宝に指定された円覚寺塔頭・伝宗庵の地蔵菩薩坐像が展示されていました。地蔵菩薩像は鎌倉地方独特の装飾方法である土紋が施されたものでした。また、疎開したと考えられる、報国寺と光明寺所蔵の作品も展示されていました。

第三章 戦時中の展示

収蔵品を疎開させたので、周辺のお寺から仏像などを借りて、展示をしていたそうです。当時借りていた、円応寺の奪衣婆像、東慶寺の水月観音像、寿福寺の栄西坐像の三体に加えて、常楽寺の文殊菩薩坐像が展示されていました。

奪衣婆像は大きく、迫力のある像で、戦時中にこの像を見た人はどのような印象を持ったのだろうと考えました。文殊菩薩坐像は毎年1月25日にしか開帳されない秘仏で、今回間近で背後からも拝観できるのはまたとない機会です。像は岩座に座っており、岩座の下の台座の上には海を表した青い色が描かれていました。

文殊菩薩像の隣には水月観音像が展示されており、水月観音像も岩座に座っているので、その下の台座を見ると、手前に少し青い色の部分があるように思え、こちらも海を模した青い色が全体に描かれていたのかなと思いました。

水月観音像は東慶寺の宝物館で鑑賞したことがありますが、今回は同じ岩座に座した文殊菩薩像と隣り合わせて展示されていますので、ついつい比較して見てしまいます。水月観音はリラックスした座り方、文殊菩薩像は姿勢正しく、きちんと座っており、対象的です。

水月観音像のようなリラックスした姿をした像は京都では受け入れられませんでしたが、鎌倉では受け入れられ、鎌倉地方では遊戯坐像が造られました。その理由として、既に文化が確立している京都では菩薩に相応しくない姿と判断され、新しい都市・鎌倉では中国・宋の文化が積極的に取り入れられたからだと言われています。

個人的には、京都の公家のほうが遊び心があり、リラックスした像を受け入れ、鎌倉武士は愚直でそのような像は受け入れないような気がしますが、事実は逆なので、面白いなと思います。仏像を見比べることで気づくことも色々あると思いました。ちなみに水月観音像の展示は前期(10月20日から11月11日)のみですので、水月観音像を拝観したい方は前期に訪れましょう。

最後に

第4章は「終戦へ」で、鎌倉国宝館では昭和3年1月1日から現在まで毎日欠かさず業務日誌をつけており、終戦の日の日誌も展示されており、何か一つのものを継続して続ける大切さを感じました。今年が90周年ですので、10年後の2028年は100周年です。是非、100周年の特別展も訪れ、本ブログに書ければと思います。

特別展「開館90周年記念 鎌倉国宝館 1937-1945」の案内

特別展「開館90周年記念 鎌倉国宝館 1937-1945」の案内


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