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特別展「顕われた神々 ―中世の霊場と唱導―」に関連した月例講座「神像としての仏像」を聴講しました | 霊場巡りの旅ブログ

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特別展「顕われた神々 ―中世の霊場と唱導―」に関連した月例講座「神像としての仏像」を聴講しました

顕れた神々

神奈川県立金沢文庫では、特別展「顕われた神々 ―中世の霊場と唱導―」を11月16日から1月14日まで開催しています。加えて、その関連講座もいくつか予定されており、月例講座「神像としての仏像」が12月8日に開催されるとありましたので、予め申し込みをし、当日訪れました。以下、講演を聴講して、印象に残ったことを書きます。

神像としての仏像

今回の展示は「見たことのない展示が多い」ということで来場者に好評である。神像を集めようとすると個人が所有する像が中心となる。その理由は、明治時代の神仏分離令で、多くの神像が神社外に流出したからである。

十一面観音立像(平安時代、小田原文化財団)

普通の仏像とは異なる点、
(1) 素木(しらき)造りで金箔を施さない
(2) 彫りが浅い(細部が省略されている)
がある。
衣紋を省略して、つるっとした感じに造っている。これにより、神がぼんやり現れた感を出している。本地仏で、おそらく神社に祀られていたであろう。十一面観音を本地仏とする神と言えば、白山である。

本展示の案内に掲載されている像です。上半身だけ写っており、頭上の大きな化仏が特徴的に見えたので、そこが着目する点かと思っていましたが、違いました。しかし、化仏がのっぺらで何も彫りがないのも、(2)に含まれるそうです。

伊豆山権現立像(鎌倉時代、伊豆山神社)

かっては錆(さび)に覆われていたが、除去され、リアルな顔になった。誰かモデルがいそうな感じである。銅造で鍍金が施されており、金銅仏と同じ技法で造られている。金銅仏と言えば、飛鳥大仏や法隆寺の像などが挙がり、仏像の本来の造り方である。よって、本像は仏として造られていると考えてよいだろう。

実際の展示を見て、私も顔がとてもリアルだなと思いました。モデルがいたとしたら、源頼朝なのだろうなと思います。

描かれた社景

神をどう表すかということで、神像として表すこともあるが、神のいる場所を描き、宮曼荼羅、社寺参詣曼荼羅として礼拝していた。伊勢、八幡、春日などの宮曼荼羅を展示しているが、春日曼荼羅が一番多く描かれている。これは春日が藤原氏の氏神であり、貴族の中で藤原氏の占める割合は非常に高いので、多く作られたのだろう。また、春日曼荼羅の影響を受けて、他の神社の曼荼羅も作られたと考えられる。

参詣曼荼羅は絵解きに使われるイメージがあるので、訪れる人を増やすために作られたのかと思っていましたが、元々は礼拝目的の宮曼荼羅であったのは知りませんでした。

顕れた神々の姿

神々は子供の姿や貴人の姿としても表された。

騎馬護法童子像(鎌倉時代、茨城・千妙寺)

織田信長の比叡山焼き討ちの責任を問われ、武田信玄を頼って下向した覚恕法親王が持参したと考えられる画とのことです。織田信長が比叡山焼き討ちは有名ですが、天台座主が東国に下向していたのは知りませんでした。以前読んだ本に、「武田信玄は焼き討ちされた比叡山を身延に移動、身延山久遠寺を善光寺のある場所に移動、甲斐善光寺を善光寺にするつもりだった」と書いてありましたが、もしかしたら、それが実現していたかもしれませんね。

天台宗は関東で盛んだったそうで、茨城県の千妙寺はその中心寺院の一つだったそうです。千妙寺にはいつか訪れてみたいです。

貴人像

貴人像のみを神像であると思うのは、神仏分離令以降の近代の発想である。それ以前は、最初に紹介した十一面観音のような像も神像として見ていた。

これはその通りだなと思いました。

最後に

講座の時間は1時間半でしたが、ユーモアを交えながら話してくださったので、時間があっという間に過ぎた感じで、仏像(神像)の見方が広がったと思います。本展示はこの時期の展示としては来場者が多いとのことですので、是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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