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特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」に行きました

大報恩寺展案内

東京国立博物館では、10月2日から12月9日まで、特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」を開催しています。京都市上京区にある大報恩寺(千本釈迦堂)には何度か訪れたことがありますが、秘仏である本尊の釈迦如来像はまだ拝観したことがなかったので、本特別展が開催されることを知ってから必ず訪れようと思っていました。訪れる時期に関しては、

六観音菩薩像が会期前半(~10月28日)は光背をつけた本来の姿で、会期後半(10月30日~)には光背を取り外し、その美しい背中も間近にご覧いただけます。

とありましたので、後期に行こうと思い、11月10日に訪れることにしました。以下、仏像のみとなりますが、感想を書きます。

千手観音立像

まずは千手観音立像が祀られていました。お顔を見ると微笑んでいるように感じ、最初にお会いする仏像として、相応しいなと思いました。千手観音像は合掌して「よくいらっしゃいました」と言っているようで、私も正面に立ち「これから鑑賞させてもらいます」と心の中で挨拶しました。

傅大士坐像および二童子立像

二童子(善成、善建)がはっきり笑っており、まず目がいきます。やっぱり、笑顔って良いですね。見ているだけでこちらも楽しい気分になります。

傅大士は輪蔵を初めて造った人です。輪蔵とは、一切経を収納する建造物で、回転するように造られており、一周回すと一切経を読んだのと同じ功徳が得られると言われ、回したことがある方もいらっしゃると思います。

二童子像が笑っているのとは対照的に静かに座っており、輪蔵が回っている音を静かに聴いているのかなと思いました。

誕生釈迦仏立像

誕生仏は甘茶を掛け易いよう小さな像が多いですが、本像は像高が53センチあり、大きなと思いました。また、人差し指が長いようにも感じられ、「天上から天下まで全てのものを救う」ということを強調したかったので、長くしたのかなと思いました。

会場では気づきませんでしたが、家に戻り、図録を読んでいると、「清凉寺式釈迦如来像のように頭部が螺髪ではなく、渦巻き状になっている」とあり、図録の写真を見ると、確かにそうなっていました。ちなみに図録は写真も多く、書かれている文章も興味深いものでしたので、購入することをお薦めします。

釈迦如来坐像と十大弟子立像

いよいよ今回の展示の目玉の一つである、釈迦如来坐像と十大弟子立像です。一つの部屋に釈迦如来像を中心に十大弟子像がそれぞれ単独に展示されていました。

これらの像を鑑賞する前に

天台僧の義空は、釈迦は永久にこの世に存在し、法を説くという「法華経」の教えにもとづいて、大報恩寺を創建しました。快慶作の十大弟子像と快慶の弟子である行快作の釈迦如来像が今も本寺に伝わっています。創建当時は、文殊菩薩・弥勒菩薩像も安置されていました。これらの尊像構成は、「法華経」序品に説かれる、霊鷲山での釈迦の説法を意図したものだと考えられます。

という案内を読みました。法華経を基にした仏像は日蓮宗ではよく見かけますが、他の宗派ではあまり見かけたことがなく、大報恩寺の仏像が法華経の霊鷲山での説法を意図したものであるということを知り驚き、これからも千本釈迦堂を何度も訪れると思うので、覚えておかなければならないことだなと思いました。

・釈迦如来坐像
最初見た印象は「想像より小さい」でした。私は写真などから丈六仏をいつの間にかイメージしていましたが、像高約90センチの像でした。お顔を見ていると、これから真の教えある法華経を説こうとしている自信に溢れた、迷いの無い表情のように感じました。

・舎利弗立像
釈迦如来の話をすぐに理解した表情のように感じました。

・目犍連立像
釈迦如来を見つめ、話を真剣に聞いている姿に感じました。

・大迦葉立像
釈迦如来の話を聞き、泣き笑っているように感じました。

・須菩提立像
口を開けており、何かを喋っていると言うより、釈迦如来の話に驚いた表情に感じました。

・富楼那立像
視線が向かって右側を見ているのが特徴的です。最初は、他の弟子はどのように感じているのだろうと確認している姿に感じましたが、十大弟子らしくないので、釈迦如来の話を聞いて、色々考えている姿に感じました。目線と心理は何らかの関係があるそうなので、そこから想像するのも楽しそうですね。

・迦旃延立像
釈迦如来の話に驚き、自分の考えを整理しているように感じました。

・阿那律立像
左手で右手首を握っており、脈拍を測っているようでしたので、釈迦如来の話を聞いて興奮した自身の興奮度合いを脈拍を測りながら冷静に確認しているように感じました。

・優婆離立像
口を開けており、釈迦如来が話した内容について、質問している姿に感じました。

・羅睺羅立像
口を開けており、釈迦如来の話した真の教えに戸惑っている姿に感じました。

・阿難陀立像
釈迦如来の教えをいつものように真剣に聴いている姿に感じました。

六観音菩薩像と肥後定慶

次はもう一つの目玉である六観音菩薩像です。
六観音とは、
・如意輪観音菩薩坐像
・准胝観音菩薩立像
・十一面観音菩薩立像
・馬頭観音菩薩立像
・千手観音菩薩立像
・聖観音菩薩立像
のことで、それぞれが
・天上界
・人間界
・修羅界
・畜生界
・餓鬼界
・地獄界
を救う観音菩薩です。

六道に六観音を当てはめることは天台大師・智顗の主著「摩訶止観」に書かれているそうですが、中国と日本では当てはめる観音菩薩が異なるそうです。ですので、上記の六観音を六道に当てはめるのは日本独自の信仰ということで、このことも知らなかったので、驚きました。

「六観音菩薩像と肥後定慶」とあるように、肥後定慶も本展示のキーワードです。運慶、快慶は日本史上最も偉大な仏師であり、運慶の流れを組む仏師・肥後定慶が造った准胝観音像、快慶の流れを組む仏師・行快が造った釈迦如来像が展示されています。

六観音像の中、肥後定慶が造ったのは准胝観音像のみと考えられており、六観音像を美術品として見た時、肥後定慶が造った准胝観音像が神々しく、一番良かったです。しかし、私が印象に残ったのは如意輪観音像です。

如意輪観音像はライティングの関係で左目の玉眼が光って見え、それが涙を浮かべているように感じられました。ですので、衆生の悩みを聞いた後、一人になった時、聞いた話を思い出し、涙を浮かべているように感じました。私は観音菩薩と言えば、「慈悲」を真っ先に思い浮かべますので、相手を思いやる慈悲の姿が強く印象に残りました。

最後に

東京国立博物館の特別展は通常は平成館の2階にある特別展示室を全て使いますが、本展示は半分の第3室・第4室のみであり、また、十大弟子像、六観音像は大報恩寺で拝観したことがあるので、満足度はどうかなと思っていましたが、とても満足のいく展示でした。

京都や奈良のお寺が東京国立博物館で展示をするのは昔の出開帳の現代版だと思います。出開帳は江戸時代から人気がある素晴らしい行事ですので、東京国立博物館には、これからもこのような展示を開催して欲しいです。

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コメント

    • 大ドラ
    • 2018年 11月 11日

    先月の連休中、東京へ出てから三井記念美術館の『仏像の姿』などを観覧しましたが、同じ日にトーハクの大報恩寺展も観覧しました。

    私も傅大士坐像と二童子立像を見て、二童子の笑顔で朗らかな気分になりました。
    秘仏本尊の釈迦如来坐像は金泥が大変美しくて古さを感じないですね。厳しい眼差しなどに頼もしさを感じます。
    六観音のうち、私個人として特に如意輪観音さまと馬頭観音さまに興味を惹かれて見とれてしまいました。その展示室で大学生らしい女の子が私の近くで観覧していましたが、天真爛漫に千手観音さまだったか十一面観音さまを見てうっとりしながらにんまりしましたが、気持ちはよく理解できますね。

    機会があれば一度、千本釈迦堂そのもので仏様やお像のお姿を拝したいですね。

      • ラーマ
      • 2018年 11月 11日

      大ドラさん、コメントありがとうございます。

      二童子の笑顔に同じような感想を持っていたことを知り、嬉しいです。釈迦如来坐像は秘仏だけあって、古さを感じなかったですね。
      六観音菩薩像はどれも素敵でした。その中から、個人個人が好きな像を見つけ、「お会いできて良かった」と感じたならば、素晴らしいことだと思います。
      私も釈迦如来坐像が公開される期間に千本釈迦堂を訪問したいと思っています。

  1. ラーマさんこんばんは(^^)
    仏像展とか行くと、心洗われ・・・
    アベノハルカスへ見に行ったことあります。

      • ラーマ
      • 2018年 11月 17日

      yokkiさん、こんばんは。

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り、仏像を拝観すると心が洗われますね。
      あべのハルカス美術館には訪れたことがないので、機会があれば訪れてみたいです。
      これからもよろしくお願いします。

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