11月22日の夕方から11月25日まで、京都に行ってきました。本当は23日からのつもりでしたが、気づいたときには既に23日の午前中の新幹線には空きがありませんでしたので、22日の夕方からとなりました。夕方に京都へ到着するので、寺社の夜間拝観が可能です。どこの寺社の夜間拝観に訪れようと思いましたが、以前訪れて、感動したライトアップされた知恩院の三門をまた見たいと思い、知恩院を訪れることにしました。
三門
知恩院に到着し、ライトアップされた三門を見上げます。今回も、荘厳さが伝わってくる素晴らしいものでした。
宝佛殿
ライトアップされた三門の鑑賞後、拝観料800円を払い、境内に入ります。知恩院の夜間拝観はライトアップも楽しみですが、法話も楽しみで、18時45分の回に合わせて訪れたので、三門回廊、友禅苑は後回しにして、法話が開催される宝佛殿に向かいました(法話は1日に4回開催されます)。
宝佛殿には、中央に阿弥陀如来立像が祀られており、阿弥陀如来像の衣は清凉寺式釈迦如来と同じもので、「生身」、つまり、生きた仏を強調しているのだと思います。阿弥陀如来像の前には法然上人像があり、須弥壇の四隅には四天王が祀られていました。
法話は「ありがとう」がキーワードで、南無阿弥陀仏の南無には「ありがとう」という意味も含まれており、南無阿弥陀仏と言うと、「阿弥陀如来様、ありがとう」と言っていることにもなるそうです。南無とは帰依するという意味だとよく言われますが、一般の人には少し大げさに感じる言葉なので、「『ありがとう』という意味である」は一般の人にも通じやすいと思います。法話の後は、全員で木魚を叩きながら、南無阿弥陀仏と10分程度唱えました。
友禅苑と三門回廊
宝佛殿の後は、友禅苑に行き、
次は三門回廊に登りました。三門に上からは、友禅苑と女坂のライトアップが見え、上から見ると、今までとは異なる美しさを感じました。
最後に
知恩院のライトアップは、ライトアップの美しさはもちろんのこと、法話で温かい話を聞けるのが一押しのポイントだと思います。訪れる方は是非、法話を聴講してみましょう。
追記
今年の知恩院のライトアップは、知恩院に対して抱くイメージから、かけ離れたポスター、イベントがあったので、賛否両論がありました。
まずは内容を好意的に紹介する京都新聞の記事です。
ライトアップで奇策!僧侶ジャンプにアイドル公演 京都・知恩院
以下、引用です。
京都市東山区の知恩院(浄土宗総本山)が、12月2日まで開催中の「秋のライトアップ」で斬新な取り組みを次々と繰り出している。広報用ポスターには袈裟(けさ)姿の僧侶が飛び跳ねる写真を使用、初日には国宝・三門下でアイドルの公演も。奇抜なアイデアの背景には、まずは耳目を集めて1人でも多くの人参拝してほしいとの願いが込められている。
境内の庭園にある聖観音菩薩(ぼさつ)立像を背景に、手をつないで笑顔でジャンプする僧侶5人の写真。「知恩院秋のライトアップ」のポスター上部に大きく載っている。掲示開始後、「攻めている(挑戦的)」とツイッター上で紹介され大きな話題となった。
「秋のライトアップ」での挑戦はポスターだけにとどまらない。今月2日夜には、「浄土系アイドル」として活躍する女性3人組アイドル「てら*ぱるむす」が三門下で6曲を披露。3、4日夜には知恩院の僧侶・職員で結成するバンド「ぽくぽくすまいる」がコンサートを行った。
ただ、そうした「歌舞音曲」があるのは冒頭の3日間のみ。5日からは4週間に及ぶ連日の法話が始まった。この期間は約20分の法話と約15分の木魚をたたき念仏を唱える体験を1日4回繰り返すという、寺本来の教化活動を行う。
型破りなポスターやアイドル公演で寺に縁のない若者層の興味を引きつけ、宗祖法然から続く念仏の教えを知ってもらう。知恩院にはこうした考えがある。
斬新な取り組みに対し、参拝者からは好評価が多い。今年から実施しているアンケートでは「お坊さんも頑張っていることが分かった」などの声が寄せられているという。知恩院おてつぎ運動本部の磯部孝造さん(34)は「教えに触れてもらうという『軸』を動かさず、今後も新しい取り組みを続けていければ」と将来を見据える。
次は反対意見を書き出してみます。
・こういう阿呆な活動するほど本気の人は離れていくんだけどな。
・お釈迦様は予言されていましたよ。末法の世にはこんな坊主が現れる事をね。
・寺院でやる必要性皆無だな。
・アイドルやタレントみたいなことがしたいだけ。しかもそれを抑えきれない。煩悩の塊ですな。
・頑張る方向が違うと思う。まずは戒律を守って修行をしましょうよ。俗人と同じことをするだけなら尊敬はしない。
寺院がこのようなイベントを行う理由として、「多くの人に集まって欲しいから」は必ず挙がるものです。では、なぜ、冒頭の3日間しかやらないのでしょうか。毎日は無理だとしても、期間中の土・日はやるべきなのではと思います。冒頭しかやらないのであれば、本気度が疑われますし、やはり、自分たちがやりたいだけではと思われても仕方がないと思います。
私は寺院がイベントを行うこと自体は大賛成ですが、神仏に対する信仰心、畏敬の念を下げるようなイベントには反対です。今回のイベントがそれに該当するかは分かりませんが、個人的には、総本山でやるべきものとは思いません。総本山知恩院には、流行に左右されず、もっとどっしり構えて欲しいです。そして、訪問したものをいつでも温かく迎えてくれる寺院であって欲しいです。
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