仁和寺の観音堂は、仁和寺創建の約40年後、929年頃に造営されたと伝えられ、その後、幾度も火災で焼失し、現在の建物は江戸時代初期の1640年頃に再建されたものです。
2012年から6年にわたって半解体修理が行われ、再建当時の美しいお堂によみがえりました。これを記念して、
・春季 2019年(令和元年)5月15日から7月15日
・秋季 2019年(令和元年)9月7日から11月24日
に厳粛な修行の場所として普段非公開である観音堂内部が特別公開されます。
仁和寺には昨年(2018年)の秋、金堂裏堂の五大明王壁画を拝観するために訪れ、とても印象が良かったので、この観音堂特別拝観もとても楽しみにしており、6月1日に訪れることが出来ました。
仁和寺境内
仁和寺に到着し、工事中の二王門から境内に入ります。参道を直進し、中門をくぐり、更に境内奥へ。中門から少し歩くと、観音堂に行く左折する道があるのですが、まずは金堂でお参りということで、左折はせず、直進しました。中門と金堂の間には、五重塔と「令和」と書かれた木碑があり、写真ポイントとなっていました。
三十三体のみほとけと幻の観音障壁画
金堂でお参り後、観音堂へ。観音堂の向かって右にある授与所で拝観券(1000円)を購入。拝観料には、お守り、散華、ポストカードも含まれますので、決して高くないと思います。
観音堂の前には角塔婆が立てられていましたので、結縁綱を握り、観音様とご縁を結びました。そして、堂内へ。
堂内に入ると、本尊の千手観音像と二十八部衆が目に入り、とても荘厳に感じました。東京国立博物館の仁和寺展にも訪れましたが、やっぱり、お堂で拝観するのが一番だと改めて思いました。
お寺の方が説明をしていましたので、着座して、話を聞きます。
ご本尊の千手観音で、脇侍は、向かって右が降三世明王、左が不動明王とのことです。降三世明王が珍しいなと思いましたが、公式ガイドブックによると、降三世明王が金剛界、不動明王が胎蔵界と考えることもできるが、観音が蓮華部、降三世明王が金剛部、不動明王が仏部を代表し、密教の三部(蓮華部、金剛部、仏部)を表していると解釈できるそうです。
4体の観音像が1枚に描かれている障壁画が8枚(東西面に2枚ずつ、北面に4枚)あり、「4 x 8 = 32」で32体、本尊の後ろに1体あり、合計で33体とのことです。
風神像は指の数が4本、雷神像は3本で、解説で面白いなと思ったのは、西壁面に描かれている十二難の中にも風神、雷神がいるのですが、こちらは悪い風神、雷神で、指の数は5本あるのが異なる点とのことです。
話が終わった後、観音障壁画を東面から拝観。話にあった通り、1枚に4体の観音様が描かれていました。また須弥壇背面壁には六観音が描かれており、西面の十二難には確かに指が5本の風神、雷神が描かれていました。
訪れた時は沢山の参拝者がおり、扉も開かれていたので、外の光も入っていましたが、人が少なく、扉が閉ざされ、ロウソクの明かりだけならば、仏を感じられる、修行に相応しいお堂だなと感じました。
最後に
昨年の秋に引き続き、今回も良いお参りが出来ました。観音堂の次回御開帳予定は未定とのことでしたので、この機会に是非、仁和寺を訪れて、仁和寺の観音様とご縁を結びましょう。
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