泉涌寺で、「今上陛下御在位30年を記念して、非公開の舎利殿に安置されている韋駄天立像、および韋駄天障壁が特別公開される」というニュースを聞きましたので、3月9日に泉涌寺を訪問しました。泉涌寺のホームページにおける「韋駄天立像特別公開について」はこちら。
舎利殿
大門から泉涌寺に入り、楊貴妃観音堂、仏殿を拝観した後、舎利殿へ。拝観料500円を払い(上の画像の散華をいただきました)、堂内へ。中ではお寺の方が説明をしており、途中からですが、聞きました。
堂内中央に祀られている舎利塔の中にはお釈迦様の歯が祀られているそうです。そして、向かって右に今回特別公開の韋駄天立像、左に月蓋長者立像が祀られていました。
韋駄天は足が速いことで知られていますが、「走り回って食を集めてくる」ということで、特に禅宗で庫裏(寺の台所)に祀られることが多いそうです。ごちそう(御馳走)は、韋駄天の馳走(走り回るの意味)から来ているそうです。月蓋長者は在家でお釈迦様の弟子になった最初の人で、祇園精舎をお釈迦様に寄付した人です。
舎利塔近くの天井には迦陵頻伽が描かれており、壁には十六羅漢が描かれていました。また舎利殿入ってすぐの天井には赤龍が描かれており、こちらは鳴き龍で、手を叩くと上手く鳴いていました。
説明が終了したので、韋駄天像を拝観。優しいお顔をされており、向かって右下を向いていましたので、しゃがんで像を見上げると良い感じでした。次に月蓋長者立像を拝観すると、こちらも向かって右を向いていました。
私はてっきり、本来は楊貴妃観音、韋駄天、月蓋長者の三尊形式なのだと思っていましたが、韋駄天、月蓋長者が両方共そろって向かって右を見ているのはおかしいので、以前金沢文庫で聞いた話を書いたブログの記事(金沢文庫 特別展「唐物 KARA-MONO―中世鎌倉文化を彩る海の恩恵―」に行きました)を後で読むと、観音菩薩、善財童子、月蓋長者の三尊形式とのことです。
次は舎利殿裏堂の韋駄天図の拝観です。350年前に描かれたそうですが、日光に当たっていないので、とてもきれいに残っています。
画はお釈迦様の骨を盗んで逃げた小鬼を捕まえて骨を取り戻した韋駄天がその骨を兜率天に祀って、守っている姿を描いているそうです。像の韋駄天は優しいお顔をされていましたが、画の韋駄天は武士のように格好良い顔をされており、画の方が私がイメージする韋駄天に近かったです。
最後に
韋駄天像の特別公開は3月17日までで、泉涌寺では3月14日から16日まで大涅槃図も公開されますので、訪問されることをお薦めします。
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