人間として成長することを目指し、寺社巡りをした時に感じたこと、気づいたことを紹介

  1. 致知

「日々発見 日々感動 日々新た」

月刊致知10月号に掲載されている、上田晃さんの「日々発見 日々感動 日々新た」より。

感動と発見のおすそ分け

二十七年間、毎日書き続けてきたディリーメッセージが間もなく一万号を迎える。ディリーメッセージには前段階があり、松下政経塾の塾頭を勤めていた時、塾生に向けて出していたものが千号ほどある。

しかし、塾生たちから「読みたくない」と声が上がった。というのも、その頃のディリーメッセージは塾生たちへの教育的な意味合いもあり、つい言わずもがなの批判を書いてしまっていたのである。「人を批判するような文章は読みたくない」と言われ、私は大きな挫折感を味わい、一ヶ月ほど書くのをやめた。

この時、文章で人を斬ってはいけないということに気がついた。その反省から、人を批判する時は相手に向かって直接伝える、文章では人の悪口を書かないということが私にとっての鉄則となった。同時に、読者に「感動と発見のおすそ分け」をするという気持ちを持って書くようになった。

人生の差を生む「感じる違い」

人生で一番大事なことは継続だと、私は考えている。人間は生きていく上で大事なことはすべて継続している。睡眠も食事も然り。ただし、それは犬も猫も一緒だ。そこで私は、もう一つ、自分で努力目標を決めて継続することが人間の値打ちを高めることになるのではないかと考えた。

人間は見ているものや経験することにほとんど差はないと思う。では、何が違うかといえば、「感じる違い」である。同じ話を聞いていても、真剣に耳を傾け、メモを取れば、血となり肉となる。それが「感じる違い」である。こんなちょっとしたところから人生の差は生まれるのではないだろうか。

本物に至る唯一の道

継続は本気さの証明だと、私は思っている。本気であることを示すのは継続しかない。「本物は続く。続ければ本物になれる」。これは私の人生の法則の一つである。流行は廃れるが、本物は廃れない。自分が本物になりたければ続けることだ。続けることが本物に至る唯一の道なのである。

私はよく「一つを励めばすべてが変わる」「一つを続ければすべてが変わる」と教えている。あれもこれもしようと思うと、どれも中途半端になる。しかし、一つを続けて究(きわ)めれば、すべてが変わる。分かり易い例で言えば、子供に全教科の点数を上げろと言うよりも、一番得意なもの、英語なら英語だけ頑張って、クラスの一番を目指せと言えば頑張れる。そして、英語で一番になれば他の点数も上がる。勉強のコツが分かるからだ。

大事なのは一つのことを徹底して励むということ。難しいことはしなくていい。身近なところで、自分が「これならできる」というものをまず一つだけ励む。そして、それを休まずに続ければ人生は変わる。

加齢とともに精神は成熟する

これからいかに自分の意識が成熟していくのか、それが楽しみである。人は年を取ることを肉体的にだけ捉えるから悲観的になる。しかし、肉体が衰えることも精神的な成熟のための必要条件だと私は思う。肉体が溌剌(はつらつ)とし過ぎていると精神が成熟しない。肉体が衰えても精神が成熟すると思えば、年を取るのが楽しみになるではないか。八十年、九十年と生きたら、どんなふうに物事が見えるのかと考えると、ちょっとワクワクする。

私の感想

「文章で人を斬ってはいけないということに気がついた」は、同じ考えを持っているので、印象に残りました。寺社巡りのブログを書いていますが、寺社を訪れたときに嫌なことに出遭い、不愉快な気分になることもあります。しかし、そのようなことはブログには書いていません。ブログでは今後も、寺社を訪れたときに感じたこと、気づいたことを共有したいと思います。

「同じ話を聞いていても、真剣に耳を傾け、メモを取れば、血となり肉となる」、「続けることが本物に至る唯一の道なのである」という言葉は、ブログを書く上で、とても有意義な言葉でした。

ホームページに掲載している鎌倉三十三観音霊場の巡礼記は2006年に巡ったときのことですが、今読み直すと、「(お寺に訪れても)こんな程度しか感じていなかったのか」と思う箇所が多々あります。そのときよりも肉体的には衰えていますが、精神的には遥かに成熟していると思います。今から十年後も、更に成熟できるよう、寺社巡りを続けていきます。

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